今日、飯能地区の雷は凄かったですね(^^ゞ
午後1時半頃でしょうか?
ちょうどその頃、飯能准看護学校の講師として感染症を教えていました。
2回ほど近くで雷が落ちたようです。
まああまり雷は怖いほうでは無いのですが、近くで落ちるとびびっちゃいますね(笑)
ガンダムの映画で宇宙育ちのジオン軍の兵士が初めて大気圏を突破したとき、ちょうど雷がなっており、
「た、大尉、連邦軍の新兵器です」と言い「うろたえるな、これが地球の雷というものだ」と返したくだりがありました。
この大尉こそかの有名なグフにのっていた、ランバ・ラル大尉です。
ランバ・ラルとグフかっこよかったですよねぇ。とくにグフが乗ってた空飛ぶ飛行機の名前みなさん覚えていますか? 確か”ドダイ”って言いませんでしたっけ???
っと、ガンダムの話しじゃなくて。。。
でも確かに今日の雷は兵器のようでしたね。
話しは変わって、高校生の頃、お宅だった私はアマチュア無線をしておりまして、無指向性アンテナというものを家の屋根に立てており、いわゆる丁度避雷針のようなかっこうの(笑)
そうです、ご想像とおりです(笑) まんまとそのアンテナ一直線に雷が落ちたことがあります!
それはそれはもう大変でした(-_-;)
我が家だけではなく、数十件ご近所さんの家電製品が申し訳ないこととなりました(・_・;)
さてと、ところで前回の続きです。
”しかしながら、さらにもう一つ大きな力が働くのである”
さてその大きな力とはいったいなんでしょう。。。
正解は「製薬会社の力」です。ではいったいどのような力が働くのでしょう?
これを書くと製薬会社の人たちは余計なこと書くなよって思うでしょうから、誤解の無いように今回はまず話題を脱線することにします。
最近みなさん「ジェネリック」と言う言葉を耳にする機会が多くなってませんか?
ジェネリックとはウィキペディアからですが、
後発医薬品(こうはついやくひん)、ジェネリック医薬品(英 : Generic Drug、Generic Medicine[2] )とは、医薬品 の有効成分 そのものに対する特許 である物質特許が切れた医薬品 を他の製薬会社 が製造 ・供給 する医薬品 である。新薬 と同じ主成分の薬とも言われる[3] 。後発薬と略称で呼ばれることもある。先発の医薬品 は先発医薬品 ないしは先薬 と呼ばれる。
医薬品 の特許 には物質特許(有効成分 )・製法特許(製造方法)・用途特許/医薬特許(効能効果)・製剤特許(用法用量)の4種類がある。
とあります。
私が医者になったころは”ゾロ”と呼ばれていました。いわゆるゾロ医薬品と言う呼ばれ方もしておりました。
先発品の医薬品が販売から一定期間が過ぎると、特許がきれ、同じ構造式の薬をジェネリック医薬品メーカーが製作、販売することができます。
先発医薬品 (先薬 )の開発 には巨額の費用 (300億円以上[9] )と膨大な時間 (約9-17年[9] )を必要とするために、開発 企業 (先発企業)は先発医薬品 の構造 やその製造 方法 などについて特許 権 を取得し、自社が新規に開発 した医薬品を製造 ・販売 することによって、資本 の回収を図る。また、その先発医薬品 で得た利益 を新たな先発医薬品 の研究開発 費として投資 する。当然、特許 の存続期間 が満了すると、他の企業 (後発企業)も自由に先発医薬品とほぼ同じ主成分を有する後発医薬品が製造 ・販売 ができるようになる。
とあります。
以前私は第一三共株式会社の”メバロチン”という高脂血症(脂質代謝異常)の開発秘話の本を読んだことがあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%81%E3%83%B3
ざっとですが、1971年 、三共 (現:第一三共 )の発酵研究所に所属(当時)していた遠藤章さんのグループが、まったく何の確信もなく高脂血症の治療薬は創ることができるはずだと仮説を立て研究を開始するのです。
どんなイメージか分かるでしょうか?例えるならこの地球上のどこかにお宝がねむっているはずだ、世界中を旅してなんのヒントもなくあちこちを掘り起こすような作業です。
しかしながら、この難問には”正義”があります。40年以上も前、飽食の時代むかえた人類は、高脂血症、高コレステロール血症、高中性脂肪血症という人類で初めての経験を体験するのです。
そこでこの高脂血症に対して何か治療方法はないかとまだ誰も見つけていない未知の薬への模索を開始するのです。コロンブスがアメリカ大陸を発見するくらい途方もない冒険だったと思います。
しかしこれはお宝を見つけて独り占めするのではなく、病気を克服したいという”人類に対しての正義”のために決起するのです。
1973年6,000種に及ぶ微生物を検索した結果、青カビの一種からコレステロールを下げる可能性のある物資を見つけるのです。それはそれは途方もない旅だったと思います。
さらに、思い立ってから8年後の1979年ようやく臨床試験を開始するのでが、そこで1度試験が失敗に終わり臨床試験は1年余りで中止となってしまいました。
その時の、遠藤章さんのグループのお気持ちをおっさしすることができるでしょうか?10年近くまったく利益の出さない部門で実験、試験を繰り返し、それが失敗してしまうのです。周りからの目はどうでしょうか?また本人たちの無念さはいかほどだったか私には想像がつきません。
しかし彼らはあきらめませんでした。
その後も試行錯誤(トライ&エラー)を繰り返しようやく1989年にメバロチン(プラバスタチン)が製品化できたのです。
仮説を立ててからそれは18年後のことでした。。。
それは生まれた子供が高校を卒業する期間を要したのです。
途方もない実験、途方もない試験、途方もない試行錯誤、途方もない苦労が繰り返されたと思います。
如何でしょう?製薬メーカーは自社で開発した薬に対しての誇りや、愛情、思い入れがどれほどあるか想像できますでしょうか?
しかしながら2003年7月6日、メバロチン(一般名:プラバスタチンナトリウム)は特許切れに伴い、23社、5規格43品目の後発品が発売されることとなりました。
先発品製薬会社も後発品(ジェネリック)製薬会社も自社工場で薬を作ります。ある一部の薬(ロトリガ等)を除いては薬なんて所詮粉なんで、原価はほとんどかかっていません。
お金がかかったのは、研究、開発費なんです。
その特許がきれた薬をジェネリックメーカーは製作方法を教えてもらって作る薬の出来上がりは酷似しており、半分以下の値段で売っています。
しかし私は思うんです。
第一三共の工場で作っている”メバロチン(プラバスタチン)”と他のジェネリックメーカーの工場で作った”プラバスタチン”と出来上がりは似ているでしょうが、本当に同じものなのでしょうか?
きっと第一三共で作っているメバロチンの薬の錠剤には見えていない ”関わったすべての研究者、製作者、販売者の 「誇りと愛情」 ” がスパイスとして交じっていると確信しています。
近年厚労省はジェネリック医薬品を推奨しています。それは限られた医薬財源の中からやりくりしなければならない、患者さん負担を少しでも軽減するという意味では当然だと思っています。
テレビコマーシャルでもしきりに”おなじ成分の薬”として宣伝しています。
しかし分かっていただきたいのは、月に数回各製薬会社の営業担当の方が間柴医院にわざわざ情報を持ってこられます。ジェネリック医薬品メーカーは売っているだけで、薬の説明には一切いらっしゃった事がないどころか、薬の質問をメーカーに電話しても、先発品メーカーに問い合わせてくれという返答のみです。
こんなことなのに、テレビコマーシャルでは同じ成分だといい続けていますが、出来上がったものは本当に同じものなのでしょうか?最終的に薬を作っているのは誇りを持った人間なんですよね。
今年の4月から間柴医院では完全に先発品でも後発品でも患者さんが選択して薬がもらえるように一般名の処方箋に変更しました。
その結果ジェネリック医薬品が売れるパーセンテージは上がったと思います。
ここで4月から経験した不思議な体験です。
ある目の見えない患者さんが、先生薬を変えました?と突然聞かれました。
えっ!?と変えてないはずなのにと思ったのですが、処方箋を一般名に変えたこともあって、確認したところあるお薬がジェネリックに変更されていました。その患者さんにとっては触りごこちや、飲む感触は変わらなかったそうですが、効果が全然なかったとおっしゃられてびっくりしました。また同じ薬で他の患者さんにも同じことを言われ、先発品を出すようにと指示を出したところ効果はもとに戻りました。
しかながら、みなさんそれぞれ価値観がございますから引き続き間柴医院では先発品、後発品、どちらでも受け取れるように一般名で処方箋を出します。
どちらを選ばれるかは患者さんがお決めできるようにしております。またこの薬だけは先発品じゃなきゃいやだってこともできます。
値段はもちろんジェネッリクの方がお安いですし、先発品とそん色なく効果がある薬は沢山ございます。
結局自分で飲み比べなきゃ分からないってことでしょう。
先発品もジェネリックも同じ成分なはずなんですけどね。。。。。。。。orz
でも私はやっぱり出来上がった薬には ”誇りと愛情” というスパイスは非常に大切なんじゃないかなと思います。
と今回は脱線してしまいましたが、これを踏まえて次回も認知症のBLOG更新するように頑張りますね。
なーんて、なかなかおだやかーに書けませんね。。。(^_^)/