以前、造幣局見東京支局へ見学しに行ったことがあります。お札は国立印刷局で製造され、硬貨は造幣局で | 松陰のブログ

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以前、造幣局見東京支局へ見学しに行ったことがあります。お札は国立印刷局で製造され、硬貨は造幣局で製造されます。造幣局でも市中に流通している硬貨は大阪にある本局と広島支局でつくられ、東京支局では、記念貨幣や勲章・褒章などを製造しています。まず、大きなフロアー内で貨幣の製造過程に関するビデオを観ました。貨幣内の比率。例えば、500円ニッケル黄銅貨幣では、銅72%、亜鉛20%、ニッケル8%の混合比率になっています。500円の潜像技術は素晴らしいと思いました。斜めに見る角度によって横縞と500円という文字が見える仕組みになっています。偽造防止なのですが、巧妙な技術です。ビデオでは円形(えんぎょう)という貨幣に模様を圧印する前の貨幣の形に打ち抜かれた金属板も紹介していました。ビデオ内で本局の桜の通り抜けが紹介されていて、楊貴妃という種類の桜があることを知りました。世界三大美女の名前がつくだけあり、趣のある桜だなと思いました。斜めギザの製造過程などが上映されていました。世界造幣局会議なる会議が存在することも知りました。その後、案内役の方に連れられて展示室を回りました。都道府県記念硬貨が展示されていました。高知県の坂本龍馬や佐賀県の大隈重信などの偉人の硬貨、青森県のねぶた・ねぷたとりんごや岐阜県の長良川の鵜飼など郷土の風物を描いた硬貨などが置いてありました。何より硬貨が着色されていて、市中で流通している硬貨よりも色鮮やかでした。また。新しい技術として、中心部分と周辺部分で違う素材を使う硬貨が飾られていました。中心部と周辺部で色が変わっています。貨幣の模様を作成するのに縮彫機を使い、始めに極印という大きな原版をつくり、それを圧縮して、種印という硬貨の大きさに変えていきます。旧式縮彫機は展示されていました。案内役の方が「5円硬貨」に関して説明してくれました。硬貨の中で、5円硬貨だけが漢数字を使用していること。5円硬貨に穴が開いている理由は、1円硬貨と区別するためと材料経費を少なくするため。また、5円硬貨の模様は、農業、工業、水産業を表わしているようです。また、朝鮮戦争時期に使用されるはずだった穴開きの10円硬貨や第二次世界大戦時に使用するかどうか検討されていた陶器でつくられた陶貨なるものが飾られていました。いくら戦争で金属が足りなくなったとは言え、陶器を貨幣に使おうとするのは愚かな判断だと思いました。陶器は流通段階で割れちゃうだろと思いました。結局は使用されなかったようです。勲章に関して、皇族は菊花、一般国民は桐の紋章に分けられているそうです。褒章は、何か突出した功績がないと貰えないものだと思っていたのですが、紺綬褒章という公的団体に500万円以上の寄付をした方がもらえる褒章があることを知りました。また、硬貨の健康状態を診断してくれる機械が置かれていました。自分の持っている硬貨を入れると、診断書が発行され、直径、厚さ、重さ、比重、材質の状態を検査してくれます。実際、やってみました。面白かったです。その後、貨幣の製造工場に行きました。現在の東京支局の一部は巣鴨プリズンの敷地だそうです。まず酸化を防ぐ機械を紹介してくれました。酸化しないように酸化の天敵である空気を抜いてから製造するようです。記念硬貨において、3ミクロンのニスを吹きかけ、被膜を作り、硬貨が傷みづらくなるように工夫がされています。案内役の方の話では、初めて消費税が導入された時には、1円や5円硬貨が不足し、普段、市中の硬貨を製造しない東京支局でも製造したそうで、さらに府中刑務所でも製造を手伝っていたそうです。本局は大量生産でほとんど無人なのですが、東京支局は特殊な硬貨や勲章や褒章を製造しているため、作業員の人がいました。作業員の方が実際に製造する姿も見れます。案内役の方が、作業員は毎日、キラキラするものを見ているので乱視になりやすいと裏話を教えてくれました。硬貨の着色にはパッド印刷という方法を取っているようです。また、プリーフ硬貨の本来の意味は「基準となる硬貨」という意味だそうです。なかなか楽しめる工場見学でした。