国分康孝氏著の『リーダーシップの心理学』という書籍を紹介する。 リーダーシップとは集団目標達成 | 松陰のブログ

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国分康孝氏著の『リーダーシップの心理学』という書籍を紹介する。

リーダーシップとは集団目標達成のために各メンバーが連帯感をもちながら、自分の能力をフルに発揮できるように援助する能力のことです。国分康孝氏曰く、タテ志向、ヨコ志向を問わず、リーダーとは以下の三つのことをすればよいようです。まず、自分がリーダーをつとめているグループは何をしようとしているのか、何のためにこのグループは存在しているのか、リーダーはそれをきちんと知っていなければなりません。自分達のグループが何を目的に活動しているのかをきちんと心の中で定めておかないと、いうことすることに一貫性が出てこないし、説得力にも欠けるようになります。第二は、集団目標の達成のためには、メンバーが仕事を分担することになります。すなわちグループとは結局役割の束です。この役割の束が混乱しないようにするのがリーダーの仕事です。役割を混乱させないためには、ひとつには、それぞれの役割にまつわる権限と責任をはっきりさせることです。そうでないと、相互の人の仕事に口出しすることになるし、お互いに責任をなすりあう結果になります。リーダーが絶えず観察していないと、気付かないうちに混乱が起こるものです。リーダーは、絶えずメンバー同士の感情交流はどうなっているかに関心をもち、どうしたら和気あいあいの雰囲気になるかを工夫しなければなりません。グループをひとつにまとめるのがリーダーの第二の仕事です。リーダーの第三の仕事は、メンバーひとりひとりの興味と能力と現実条件が満たされるように配慮することです。職業生活を通して自分個人も成長するものでなければ、あるいは、自分の個人的欲求を満たされるものでなければ、その人を真に組織資源として活用しているとは言えません。リーダーはアメとムチで生産性の向上をどれだけ目指せばよいということでは済まされなくなっています。ということは、リーダーは、メンバーのひとりひとりに気配りするほどに優しさのある人でなければならないことになります。つまり、集団目標という旗印を掲げるところは父性的であり、役割遂行状況を観察するところは冷静なサイエンティストであり、ひとりひとりをケアするところは母性的です(15頁参照)。

国分康孝氏は『リーダーシップの心理学』という書籍の中で、リーダーが任務を果たすため、リーダーはどういう人物であらねばならないかということを述べています。それは、リーダシップの英単語のスペルであるLEADERSHIPの全てのアルファベットから構成されています。Looks。容姿端麗にして、他者に不快の情を与えることなし。Empathy。打てば響く人情を有せざるべからず。Acceptance。春もよければ冬もよし。「ねばならぬ」から自己を解放すべし。Directiveness。旗印を高く掲げ、行く先を明示すべし。Encouragement。愛語回天の力あることを学すべきなり。Responsibility。勇怯の差は小なり、責任感の差は大なり。Security。泰然自若、春風をもって人に接すべし。Holism。重箱の隅に幻惑されず、絶えず大局を観るべし。Identity。「われリーダーなり」とのアイデンティティを堅持すべし。Power。心を鬼にして「ノー」といい切る瞬間を逸すべからず。リーダーはどういうL・E・A・D・E・R・S・H・I・Pの人物でなければならないかは、以上の十個です。リーダーの任務を違う観点から整理すると三つになります。第一は業務上の管理指導であり、第二は人間集団への管理指導であり、第三は各個人への管理指導です。業務に関しては、どっちつかずの態度では部下は動きにくいから、リーダーの自己主張性(Directiveness)が必要です。そして部下の言動については自分も責任(Responsibility)を負う姿勢をもたなければなりません。責任者の権力(Power)でここぞと思う時は独断専行の勇気も必要です。集団の人間関係については、リーダーとしてのアイデンティティ(Identity)と超自我らしい容姿(Looks)、私心私情を越えた寛容の精神(Acceptance)の他に、泰然自若とした情緒の安定性(Security)が欲しいものです。各メンバーに対しては、人の気持ちのわかる人情味(Empathy)、ささいなことにふりまわされず全体を正確につかむ視野の広さ(Holism)、叱るよりも褒める傾向(Encouragement)、この三つが期待されるのです(180頁参照)。