大前研一訳、ピーターズ・ウォータマン共著の『エクセレント・カンパニー―超優良企業の条件―(上)』 | 松陰のブログ

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大前研一訳、ピーターズ・ウォータマン共著の『エクセレント・カンパニー―超優良企業の条件―(上)』という書籍を紹介する。


ピーターズ氏&ウォータマン氏は、62社をサンプルとして、エクセレント・カンパニー、つまり超優良企業を研究しました。最初の段階で選んだ企業をもとにしてピーターズ氏&ウォータマン氏が望んだのは、例えば、管理者、コンサルタント、経済ジャーナリスト、経営学者といった、いわゆるビジネス通が、「優良」であり「革新的」であるとみなす企業のリストを作ることでした。ピーターズ氏&ウォータマン氏が関心を寄せている産業の各分野からそれぞれ十分なサンプルを取れるように、企業をいくつかのジャンルに分類し、それぞれのジャンルの企業から取材をしています。そのジャンルとは、先端技術産業、消費財産業、一般工業製品産業、サービス業、エンジニアリング会社、資源関連企業です。ピーターズ氏&ウォータマン氏が主として関心を持っていたのは、「大企業がいかにして活力を保ち、革新的であり続けているか」ということでした。ある程度の深さで研究しようという企業を選ぶ際に考えたことは、ビジネス界の眼から見て、どれほど知名度の高い会社だろうと、その名声が財務上の実績に裏づけられているものでなければ、本当に優良な企業とは言えないということでした。したがって、長期にわたる優良さの判定基準を六つ選び、これを適用しました。このうち三つは過去20年間にわたる成長と長期的資産形成の実績、富の創造、あとの三つは収益率の諸尺度です。その六つの基準とは、1961年から1980年までの年平均資産成長率(すなわち、年間成長率の最小自乗平均、以下、同様)、1961年から1980年までの年平均資本金増加率、市場価格対帳簿価格の比率。「市場対帳簿」価格の比は、経済学者が企業の「富の創造力」をはかる時によく用いる指標です(市場価格=株の引け値×発行済普通株式数÷1980年12月31日時点における発行済株式総数の簿価)、1961年から1980年までの使用総資本利益率の平均。(総収益÷総投下資本。総投下資本は長期借入金、非償還優先株、普通株からなります)、1961年から1980年までの資本金収益率、1961年から1980年までの売上高収益率、です(58頁参照)。


業績トップクラスと判定する企業は、6項目中最低4項目で業界中上位半分に過去20年間ずっと入っていることとしました(実際には、この判定をパスした36社のうち、17社が6項目全てに関して上位半分以上、また6社が5項目でこの条件を満たしていました)。このように、トップクラスの業績をあげているとして選ばれた企業は、どれをとっても成長率および財務諸表の健全さという絶対基準の両面で、長期にわたって優秀な成績をあげているものばかりです。そして、最後の選別基準として、ずばり「革新性」を設けました。業界の専門家(例えば、その業界部内者)を何人か選んで、その業界内の企業内の企業の過去20年にわたる革新性について、その業界に絶えまなく登場してきて業界を引っ張っていくような製品・サービスを提供し、市場の変化および外的な流動に対する全般的な対応の早さで着目されている企業という基準で判定してもらいました。こうした基準に当てはめてみると、最初の62社のうち19社が脱落しました。残った43社のうち21社については、随分、突っ込んだ面談調査をしました。残りの22社についてはそれほど深い調査ではありません。また「?」という分類に入れた12社については、広汎な調査を行ないました(61頁参照)。このような基準により選別されたエクセレント・カンパニーを調査した書籍が大前研一氏訳、ピーターズ氏・ウォータマン氏共著の『エクセレント・カンパニー―超優良企業の条件―(上)』です。