日本興業銀行中堅企業センター・日本経営システム株式会社編著『CIが企業を革新する―実践18社の自 | 松陰のブログ

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日本興業銀行中堅企業センター・日本経営システム株式会社編著『CIが企業を革新する実践18社の自己革新プロセス』という書籍を紹介する。

個性ある企業として存続するには、自らの存在意義、使命を明確にし、それにふさわしい体質、組織風土を形成していかなくてはなりません。「われわれは何か」、「われわれはどうあるべきか」、「われわれは何を目指すのか」といった問いを発し、その根源的なものに向けて全社員の意識を結集し、社風あるいは企業文化といわれるものにまで定着させなければなりません。その際、企業に求められているものには二つの側面があります。一つは、「自ら革新を図れる存在であること」という側面です。企業は過去からの累積の結果として今存在します。しかし、今後のことを考えた場合、過去のそのままの延長では発展が困難になるかも知れません。そこで、環境と自らの姿を客観的に捉え直す必要性が生じてきます。創業以来の発展を支えてきたものの考え方や価値観のうちから、真の長所を見出さなければなりません。継承して、より強化・徹底すべき特質と、脱皮すべきものと明確にし、前者に向けて組織の求心力を高めていかなくてはなりません。もう一つは「社会と良好な関係をもつ存在であること」という側面です。企業は社会との関係において存在するものであり、企業を取り巻く関係者に支持されてはじめて存続できます。企業は生き物であり、生き物は成長するにつれて姿が変化します。しかし、中には古い姿のままでしか認識されていなかったり、誤って認識されている場合もあります。社外における認識を革新して、個性ある企業として存続していくことが必要になります。このように、企業は内外両面で革新に迫られています。この革新を成し遂げる一つの経営手段として、CIに関心が寄せられていました。CIとはコーポレート・アイデンティティのことです(15頁参照)。

CIが目指す革新は、大きく分けて二つあります。一つは、「企業体質・組織風土の革新」であり、もう一つは「社外における認識の革新」です。「企業体質・組織風土の革新」は、企業の進むべき基本方向を明確にした上で社員の意識や考え方の活性化を図り、全社員が会社の進むべき方向に向けて力強く取り組んでいる状態をつくり出すことと言えます。そのためには、経営上の諸システムや制度を整備・充実させることが重要となりますが、その前提として、企業の基本的な価値観、大切にしたい基本精神を社員一人ひとりに共有させる、企業目的や事業領域、会社の進むべき方向について正しく認識させ、共感を抱かせる、ことが必要になります。すなわち、企業理念を明確にして、それに向けて全社員の足並みを揃えることがまず必要となります。「社外における認識の革新」は、自社の現状や目指す方向、果たそうとしている社会的役割を、お客様をはじめとして企業を取り巻く関係者に正しく理解・認識させ、自社にとって望ましい企業像(イメージ)を確立することです。CIは、これら二つの革新に向けての永続的な活動です。でき上がったもの自体(アイデンティティ)をいうのではなく、つくりあげていく過程、アイデンティファイする活動(アイデンティフィケーション)として捉えることが大切です。この活動は、ある意味で長期的な投資であり、すぐには効果が目に見えてきません。長い目で見ていくことが必要な活動です(18頁参照)。

日本興業銀行中堅企業センター・日本経営システム株式会社編著の『CIが企業を革新する実践18社の自己革新プロセス』という書籍では、アズ、いちかわアクト、IMAGICA、FSK、カメイ、コマニー、サンデン、象印マホービン、トーヨコ、ナイガイ、白鶴酒造、ハナマルキ、ピジョン、日立エレベータサービス、フレックス、松屋、洋菓子のヒロタ、リョービのCI活動の事例が掲載されています。具体的なCI活動が記載されていますので参考になる書籍です。