吉永良正著の『神が愛した天才数学者たち』を読破して。
平成28年2月28日に吉永良正著の『神が愛した天才数学者たち』を読破した。
電車内がバタバタする中、なかなか読む時間がなかったが読み終えた。
面白かった。
数学の原点である古代ギリシャ数学、ヘレニズム数学。
そして、ギリシャからカルタゴへ数学の移転。
数学の変遷が理解できる。
また、この本では、ニュートンがものすごくひどい人間に描かれていた。
私はその記述には少し懐疑的である。
ベルヌーイ一家という数学の名門の役割。
アーベルとガロアの早過ぎる死。
そして、アーベルとガロアの悲劇の裏にコーシーの論文紛失という失態があったこと。
二人の偉大な数学者の人生を狂わせたコーシーはどうしょうもないなと思った。
また、偉大な数学者は貧困とも戦っていたんだなとも感じた本だった。
最後に、アーベルの「目の前の方程式を計算するだけなら、機械にもできるし、それは数学ではない。目に見えない構造に挑むことこそ、数学である」(吉永良正著『神が愛した天才数学者たち』 273頁参照)という言葉が数学の本質を語っているように思った。