志津野知文著『広告の実際』という書籍を紹介する。 広告メッセージを伝達するための手段を、広告 | 松陰のブログ

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志津野知文著『広告の実際』という書籍を紹介する。


広告メッセージを伝達するための手段を、広告媒体あるいは広告メディアと言います。広告媒体としては、新聞、雑誌、ラジオ、テレビのマス四媒体の他に、屋外広告(ネオンや看板など)、交通広告(車内広告や駅貼ポスターなど)、ダイレクトメール、新聞折込広告、POP広告など、多種多様なメディアがあります。さらに、ニューメディアと呼ばれる電気通信技術の発達により誕生した新しいメディア群があり、そのうちのいくつかは広告媒体として利用され始めています。以上のメディアの中で、新聞、雑誌、ラジオ、テレビのマス四媒体は、それ自体が報道や娯楽などのメディアとして存在しており、それが広告媒体としても利用されているのに対し、屋外広告などマスメディア以外のメディアのほとんどは、広告専用の媒体として存在しているという違いがあります(86頁参照)。


①新聞・・・昭和50年にテレビにその座を奪われるまで、新聞は広告媒体のトップの位置を占めていました。特に住宅産業、旅行・レジャー産業、金融・保険業、百貨店などの業種の広告主にとっては、新聞はマスメディアの中で重要な広告媒体とされています。文字と写真、イラストなどを使って商品の特徴を分かりやすく説明できるという新聞の媒体特性が、広告主に評価されているのでしょう。全国紙を使えば全国的な広告展開ができる一方、地方紙で特定の県域をターゲットにしたキャンペーンをうつこともできます。最近では県域よりも配布エリアの狭い新聞(コミュニティーペーパー)が発行されています。また全国紙でもブロックごとに広告の差し替えが可能になっています(87頁参照)。


②雑誌・・・雑誌媒体の最大の特徴は、それぞれの雑誌の読者層が明確なため、ターゲットに狙いを絞った広告戦略ができるということです。雑誌がクラスメディアと呼ばれるのはこのためです。雑誌の分類にも男性ヤング誌とか、ミセス誌などの名称が使われています。雑誌のもうひとつの特徴として、毎年新しい雑誌が数多く創刊されていることが挙げられています。その反対に、休刊、廃刊される雑誌も多く、新陳代謝の激しさをうかがわせます。雑誌には、月刊誌、週刊誌、季刊誌といった発行間隔による分類の他、編集内容や読者層によるジャンル分けがあります。総合誌とか、コミック誌とか、女性誌などという分類がそれです。広告媒体として雑誌を考える時、どんな内容の雑誌で、どんな層の人が読んでいるのかが大事なことです。雑誌のジャンルというのは、雑誌媒体の重要な要素です(90頁参照)。


③ラジオ・・・ラジオは手作業しながら、また車の運転をしながら聴けるという特性から、ながら媒体と呼ばれ、ヤングやドライバーなどに愛好されています。広告媒体としてのラジオの特徴は、時間帯によってリスナーが細分化されていることです。朝は出勤前のサラリーマンが、昼間は商工自営やサービス業従事者と主婦が仕事(家事)をしながら、深夜はヤングが自室で、と聴き手それぞれの生活時間に合わせて聴かれています。ラジオはこれらの人々にとって、生活の一部にさえなっています(92頁参照)。


④テレビ・・・テレビは昭和28年に誕生した若いメディアですが、今や国民生活になくてはならない存在となり、社会的にも大きな影響力を持っています。従って、広告媒体としても重要な役割を果たしており、昭和50年に新聞を抜いて、媒体別広告費のトップの位置を占めました。以後、ますますその重要性を高めています(94頁参照)。


媒体には、それぞれの媒体特性があります。その特性にあわせて広告戦略を企業は取っています。新聞や雑誌には新聞や雑誌の長所がテレビやラジオにはテレビやラジオの長所があります。表現伝達能力に関して言えば、詳細な説明を要する商品の特性を理解してもらうのが目的の広告ならば、新聞あるいは雑誌の大スペースを使う必要がありますし、商品の名前を覚えてもらいたい新製品の場合は、テレビ、ラジオのスポットCMを利用します(104頁参照)。