飽戸弘著『売れ筋の法則―ライフスタイル戦略の再構築―』という書籍を紹介する。 消費者は、本当に | 松陰のブログ

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飽戸弘著『売れ筋の法則―ライフスタイル戦略の再構築―』という書籍を紹介する。

消費者は、本当に必要なものを選んで買います。ますます多様化、個性化の傾向が強まるにつれ、消費者は、自分のライフスタイル、自分のライフサイクルに見合った商品、サービスだけを厳選して購入します。しかし、商品、サービスそのものは、多様化、個性化には限界があります。同じような商品が出回ることになります。こうして賢い消費者の消費性向はますます低下して行きます。本当に必要なものを提供する者だけが、本当に消費者のライフスタイル、ライフサイクルに見合った商品を開発、提供したものだけが生き残ります。こうして「マーケティングの時代」に入ります(184頁参照)。

消費者が求めているものは何なのか。我が社の消費者にはどんな人達がいて、それぞれのタイプの人々は、どんな人生を歩もうとし、どんな楽しみ、喜びを求めているのでしょうか。どんな不満を持っていますか。そういった消費者の全生活像をしっかりと捉えた上で、消費者の個々のタイプの人々が、真に求めているものをしっかりと捉え、製品を開発し、訴えていくことが不可欠なのです。商品ごとに、サービスごとに、ターゲットをしっかり定めて戦略を立てていきます。飽戸弘氏は「ライフスタイル・マーケティング」こそが、この唯一の突破口になると考えています。『売れ筋の法則―ライフスタイル戦略の再構築―』では、衣食住、知遊、全ての領域において、ライフスタイルの違いが消費性向を根底から規定していることを明らかにしています。何よりも大切なのは、マーケットリーダーを探すことであり、なおかつそれぞれの領域ごとのリーダーは、どんなライフスタイルの人達かを究明することです。また、若者や女性に対しては、特別なきめ細かい配慮が必要であることやこれからの高齢化社会では、老人への対応もますます重要になってくることも記載されています(185頁参照)。

飽戸弘氏は七つの戦略に要約しています。何気なく行なわれている日常の買い物そして遊び・レジャーが、実はどうでもよい偶然的行動ではなく、その人の全存在が、そして自己実現すらがかかっている必然的行動であることを、見落としてはなりません。いつの時代も、マーケティングの根幹はマーケットリーダーを探し出し、そこにアピールしていくことです。何でもすぐに飛びつく「先端消費者」をまず見出し、その層に訴えかけることが必要であり、有効です。先端消費者といえども万能ではありません。領域によって、同じ先端消費者でも、少しずつタイプが異なることを忘れてはなりません。領域ごとに最適の先端消費者を探すこと、これも重要です。全ての領域、全ての分野で、特にマーケットリーダーとなりやすいようなライフスタイルが存在します。しかし、全ての領域に共通のライフスタイル・リーダーはいません。ここでもライフスタイルのリーダーは、領域ごとに分野ごとに探すことです。こだわりの消費とは逆の、省力化、規格化への志向、適正価格志向の動向という「手抜き」志向も、重要な最近の動向です。こうした「両極分解現象」に注意することです。これからの製品開発、マーケティング戦略において、ヤングと女性をいつも念頭に置いて戦略を策定することです。来るべき高齢化社会に向けて、高齢者への対応は最も遅れています。早急に高齢化社会でのマーケティング・セグメンテーションを考える必要があります(185頁参照)。

マーケティングにおいて、衣食住遊は重要な概念です。飽戸弘氏著の『売れ筋の法則―ライフスタイル戦略の再構築―』では、第二章で「衣」を、第三章で「食」を、第四章で「住」を、第五章で「遊」を取り上げて解説しています。