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小島先生の著書『確率的発想法』という書籍を読破したことはありますが、某大学の小島寛之教授の『数学的思考の技術』という講義を聴講したこともあります。中学の数学レベルの簡単な内容だったので、気楽に聴けました。話のレベル自体は本当に高くなかったです。なお講義はとても面白かったです。初対面の小島先生の話術が長けていたので本当に楽しく聞けました。説明の仕方も上手でした。数学とは一体何か?それは数概念を基礎とする人間の「思弁」である。人間にインネイトな能力であり、役に立つ、役に立たないとは無縁なものであるとのこと。地動説を発見した、かの有名なガリレオ・ガリレイは「自然という偉大な書物は、数学という言語で書かれている」と述べたそうです(まあ、裁判にかけられ、結局、地動説を放棄したけどね)。歴史から見る数学には二つの方向があります。それはバビロニアVSギリシャの対決です。バビロニアは、単なる法則の集まりとして見ていました。一方、ギリシャは、簡単な法則から複雑な法則を導きだすものと見ていたようです。物理学者のファインマンはバビロニア式の数学を支持していたそうです。公理系、つまりギリシャのように法則から法則を導き出すような数学は使えないと考えていたようです。物理学における数学の考え方は数学者の数学の考え方と相違があるのが分かります。幾何学の祖・ターレスは幾何学をエジプトから輸入し、証明することを試みたそうです。影の長さからピラミッドの高さを推定したり、日食の予言をしたり、先物取引も紀元前の時代から行なっていたそうです。ターレスの証明の例として、底角定理が有名です。辺AB=辺ACならば角B=角Cになるのを証明しなさい。ターレスの証明は、三角形を裏返して重ねてみればいいというものです。簡単に証明できることを提示しました。コンピューターを発見したノイマンとチューリングの話。チューリングは第二次世界大戦中、ナチスドイツの暗号を解読するためにコンピューターを発明しました。まさに数学力の差が戦争の勝敗を分けたのです。ジーラーンターは自動証明機を製造しました。自動証明機で底角定理をインプットしたらターレスの証明が求められたそうです。ジーラーンターはターレスの証明を知らなかったようです。知らなかったターレスの証明をジーラーンターがプログラムした自動証明機が導いてしまったのです。その後、忍者の堀の深さを測る方法がピタゴラスの定理を利用している話、Googleの検索におけるホームページのランク付けがネズミの王様選挙という連立方程式を利用している話などをしていました。中でも震源地を求める方法があまりに簡単な論法だったので驚きました。A、B、Cという三つの観測地点から縦揺れ(P派)から横揺れ(S派)に移るまでの時差を計測して、円に表します。そうすると、A、B、Cのそれぞれから円が描け、交わりができ、必ず一点で交わる点ができます。そこが震源地というわけです。それからリーマン予想についての小島先生の見解。不可能と思われていたフェルマー予想が1925年に解決され、ポワンカレ予想が2006年に解決されました。リーマン予想もいずれ解決されるだろうという話でした。その後、イギリスのハーディーがラマヌジャンという人材を発掘した話をしてくれました。その話の際、小島先生が藤原正彦先生の話をしていました。私は藤原正彦先生を尊敬しています。というのも、以前、NHK教育の『100分de名著・福澤諭吉・学問のすすめ』という番組に藤原正彦氏が出演していました。その番組で、藤原氏は『日本人としての美しい情緒や形をきちんと身につけること。武士道精神から来る惻隠だとか卑怯を憎む心、名誉や恥とかをきちんと身につけること。幕末から明治にかけて、日本人は身分不相応に絶対に独立自尊を通そうと覚悟しました。(その時、)その後の100年間の列強との激突は路線に入ってしまったのです。当然、植民地にならないために富国強兵をせざるをえなかった。これは大正解だったと思います。しかし、その後、帝国主義は世界中がやっていたわけですが、これに対して、日本人が立ち上がって、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアとかの帝国主義のチャンピオンに、「ふざけるな、帝国主義は要するに弱い者いじめじゃないか。これは武士道精神に反する最も卑劣なことなんだ」と説教しなければいけなかったのです。それが靡いてしまった』と述べていました。私は確かに日本が列強の仲間入りした時、日本がイニシアティブを取って帝国主義を終焉させれば、日本は未来永劫に讃えられる国家になっただろうなと藤原先生の考えに深く納得してしまいました。この話を聞いてから藤原先生を尊敬するようになりました。話を戻しまして、某大学の小島寛之教授の『数学的思考の技術』という講義は面白かったです。有意義な時間を過ごせました。