西田通弘著の『語りつぐ経営―ホンダとともに30年―』という書籍を紹介する。 西田通弘氏著の『語 | 松陰のブログ

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西田通弘著の『語りつぐ経営―ホンダとともに30年―』という書籍を紹介する。

西田通弘氏著の『語りつぐ経営―ホンダとともに30年―』という書籍は本田宗一郎氏が創業した本田技研工業のサクセス・ストーリーを描いた書籍です。本田宗一郎氏が率いた本田技研工業の成功の道筋にベンチャー企業の成功の秘訣があるように思えます。

企業は変化への対応が求められます。組織は、必要な時、必要なところに、必要な人材が、雲のごとく集まってくるような機動性(ダイナミックさ)がなくてはなりません。また、組織は、単に秩序とか調和のためにあるのだけではなく、従業員に夢を与え、創造性を発揮させるものでなければなりません。「組織は生き物だ」と言われますが、時代とともに、環境が変化するにともない、企業が成長するためには、何よりも創造能力が必要です。既存の組織は、その時代のニーズに応えるためにつくられたものだから、新しいニーズが生まれれば、当然、過去の組織は破壊して、新しい組織をつくるべきです。企業の老化を防ぎ、活性化を図るには、一言で言えば、世の中の変化に即応して、自らが「変化する」ことです。個人的に例えれば、服装を変える、髪形を変える、生活環境を変えると、新たな気持ちになって、今までと違う新しい行動を取るようになります。このように、外部(他)から、変化を余儀なくさせられなくても、絶えず自分自身で、これまでの置かれた環境を意識的に変えることによって、無関心、無感動状態から脱することは可能です。どんなふうに、どういう方向へ、自分の能力を伸ばしていくかは、全く個人の領域において決めるしかありませんが、経営者は、社員に、どういう資質や持ち味を求めているかを、絶えず明示することによって、自発的意欲を促すことが必要です(189頁参照)。企業が成長するには、色々な資質や持ち味を持った人が、数多く存在し、それらが、有機的に結合しなければなりません。西田通弘氏は主なものを六つ述べています。それは、問題提起できる人間、視点を自らつくれる人間、自主性を持つ人間、感受性の鋭い人間、くせのある人間、失敗を恐れない人間、です(191頁参照)。そして、個々の能力を伸ばし、集団を活性化する組織、あるいは人事管理制度のポイントは、常にチャレンジの場をつくること、風通しのよいオープンな仕組みをつくること、創造性を生み出す仕組みをつくること、の三つぐらいに集約されます(199頁参照)。

私が、西田通弘氏著の『語りつぐ経営―ホンダとともに30年―』という書籍を読んで興味深かったのは、本田宗一郎氏と藤沢武夫氏との関係です。カリスマ経営者である本田宗一郎氏を陰で支える藤沢武夫氏。創業者社長に大切なのは、本田宗一郎氏のようなカリスマ性なのではないかと思います。そして、そのカリスマ社長を支える藤沢武夫氏のような有能な参謀がいてこそ企業は機能するように思えました。参謀にはカリスマ性よりも実務能力が求められるのです。それはソニーの創業時の井深大氏と盛田昭夫氏の関係にも似ているように思えたのです。また、本田技研工業が数々の苦難を乗り越えて、世界に名立たる企業になったことです。カブへのクレーム(61頁参照)、ドリーム号へのクレーム(62頁参照)、欠陥車騒動(107頁参照)等々が本田技研工業を襲いました。しかし、苦難の度に、本田宗一郎氏は企業を鼓舞し、立ち直ってきたのです。本田宗一郎氏は零細企業の時代から「世界一」という目標を、常に念頭においていました(33頁参照)。高い目標を持った人物が時代を切り開いていくのだと思います。