NHKの『歴史秘話・ヒストリア』 | 松陰のブログ

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NHKの『歴史秘話・ヒストリア』

平成23年1月26日に放送されたHNK歴史ヒストリアという番組で『正義の話をいたそう』と題して、大岡忠相を特集していました。この放送は学校の教材にしても良いほどの素晴らしい内容でした。まず拷問を止めさせたこと。それまで江戸時代では取り調べに際して、鞭打ち、石抱かせ責め、海老責めなどの拷問が行なわれていました。これでは、あまりの苦しさに耐えきれず、やってもいない罪までやったと言ってしまいます。これが江戸時代で冤罪が多かった理由だったようです。確かに、真実が嫌がらせによって歪められることはあります。いくら本当のことでも、生活を脅かされ、止むを得ず、真実を貫き通せないこともあります。生死が掛かるほどの拷問をされれば無実の罪を認めざるをえなくなる状況もあるでしょう。この拷問を禁止したのが大岡忠相です。それは大岡忠相が無実で罪を受ける人々の人権を重視した優しさであり、封建社会の中で人権に対してこれほどまで重視するのは難しいことです。与力や同心にしても、手っ取り早く犯人を捕まえて、拷問で罪を確定してしまいたいと思っていたはず。証拠を重視して裁く方が手間がかかるのですから。拷問で罪を着せられる時代に敢えて拷問を禁止し、証拠に基づく裁判を推進したのはすごいことだと思います。大岡忠相は死ぬまで、法の裁きを受ける前に死んでしまった人と拷問によって冤罪を着せられ死罪によって亡くなった人のことを気に掛けていたようです。自分が救えなかったことを悔やんでいたとのこと。素晴らしい人物です。

番組拠れば、伊勢の漁が禁じられている場所で魚を取っている若者がいました。大岡の部下が咎めると、自分は紀州徳川家の若君であるから許せと開き直ったのです。しかし、大岡忠相は許さずこの紀州徳川家の若君に説教をしたそうです。この紀州徳川家の若君が後の八代将軍の徳川吉宗だったそうです。徳川吉宗は将軍就任後、大岡忠相の権力に媚びない人間性に惚れ、町奉行に抜擢したのです。真実は定かではないそうですが、徳川吉宗も大岡忠相もあっぱれな話です。正義とは何か?大岡忠相は常に弱い者の味方でした。司法の在り方を問う内容の放送だったと思います。こういう放送こそ学校で教材とし、人間としての在り方を教えるべきだと思います。