落語のコンクールについての一番の問題点は
「審査基準の不透明さ」
だろう。
どこぞの世界に
競技の審査基準が誰にも明かされないまま
決まる競技があるのだろうか?
しかし、それが堂々と行われてるのが演芸界だ。
まだNHK新人落語家コンクールは、
「得点表示」や「審査員による公開票決」がされてるだけに
望ましい形と言える。
コンクールというのは、
「審査基準を明らかにすると、傷つくやつがおる」という配慮の下、
ほぼ全員を傷つける事がよくある。
全く逆である・・・。審査基準を明確にすればするほど、
「あくまでその基準の一点においてのみの優勝(しかもその瞬間のその時点における優勝)」
となって、そんなに傷つかない。
また各コンクールにおける「差別化」がはかれる。
にもかかわらず、審査基準を明確にしないことで、さもそのコンクールは
「真の落語家チャンピオンを決めるコンクールだ」
という雰囲気を出す。それは主催者の傲慢であり、出場者への配慮の無さだ。
昔、国立花形演芸会で、私が金賞を貰った時に授賞式で審査員に大声で聞いた。
たま「このコンクールは、口演した2席のうちの合計点なのか、2席のうちの1席の最高のものの評価なのか、
どっちですか?」
審査員「一席です」
受賞者&お客様全員「へぇー!そうなん!」
・・・もちろん明かしてくれたので、花形演芸会は良かった。
でも、事前に明かされてるのと、明かされてないのでは出場者の戦術は異なるだろう。
もちろん、「どんな審査基準で優劣を決めるか、全員わからないまま勝負する」というのが
コンクールの醍醐味だという人もいるかもしれない・・・。
・・・でも、普通はそうやないと思う。別に我々は地下闘技場で戦わされる奴隷では無いはずだ。
そんな血で血を争うグラディエーターでないのだから、ちゃんとルールを教えて欲しい。
また、そのルールも「審査員の合議制」とかは止めて欲しい。
ほな結局、意見が分かれた場合、有力な発言者の意見が通るだけだ。
それなら、その有力者一人で審査をすれば良いだろう。
もし合議制なら、残りの審査員は、「有力者」に従うだけで、コンクールに箔を付けるだけの
存在になってしまう可能性がある。
もっと審査基準は、明確に色んな基準でバラバラが面白い。
そして明確になっていけば、最終的に「明確やないコンクール」が存在しても
面白い。そういうものだ。
落語家のコンクールの審査基準は、少なくとも
審査員は誰が?
どんな選考ルール?
大会ルールは?(持ち時間など)
出場資格
など明確であるべきだと思う。
もちろん、明確にした上で差別化していけば、色んなコンクールがあって面白いと思う。
審査員は、「噺家だけ」「マスコミ関係者」「来場者」「噺家と来場者」とか、
それだけで色々差別化できる。
ここで、2020年12月に開催される「島之内落語チャンピオンシップ」の審査基準を
紹介しよう。(下記=既に1月からの島之内寄席でアナウンスされている内容)
皆様、是非、島之内寄席に御来場頂き、コンクールの審査員になって下さいませ。
【島之内落語チャンピオンシップ】
●2020年12月の島之内寄席で「お客様の投票による落語のコンクール」を開催。
●審査員:今年の島之内寄席で、12月席を含んで3回来場したお客様
※今年1月~12月を含む異なる半券を3枚持つお客様1人につき1票
※投票は、12月の来場が条件。
→2020年1月~9月までの半券2枚をお持ちの方のみ、3月席受付より
島之内寄席受付で12月の先行チケットが買えます(投票の権利付き)
※半券2枚をお持ちでない方は12月の先行チケットは買えません。
※12月席チケットは、10月1日から一般販売になるので、ご購入前に12月が
完売した場合、半券を既に2枚持っていたとしても12月席のチケットが買え
なければ投票は出来ません(ご注意!)
<コンクール内容>
●開催=12月19日(土)、錢屋ホール
●出場者=平成21年1月1日以降の入門者8人出場(近日発表)
●持ち時間1人10分
●投票権を持つお客様の投票で、最高得票数の多い者が優勝。(同点優勝あり)
●賞金5万円