芸能人が落語をすることについて賛否両論ある。

 

私は、「芸能人が落語をすること」は大賛成だ。

(独演会も全然問題ない)

 

 

素人が落語をすることや、

 

「いわゆるプロ(東京と大阪においてプロの噺家から弟子と認められた人)」でないけど自称プロを名乗る人たちが

落語をすることも、

 

別に私がとやかく言うことではない。

(お金を取ろうが、それも問題ない。著作権の問題があれば別だが・・・いや、それも著作者とその人の問題か???)。

 

 

料理人でプロかどうかに(営業許可とかそういう問題は別として)、

料理の腕とか修業みたいな資格はほぼ不要だ。

誰でもなれる。その代わり「すぐ潰れる」という危険がある。

 

きっと昔より飲食店は、「すぐ始められるけど、すぐつぶれる」ようになったと思う。(知らんけど)

昔の飲食店は、修業したり、資本の問題とか色々過程があったが、

そんなに潰れなかった。

 

それと一緒で落語は「誰でもやれる」と言えばやれる。

その代わりそれを一生の職業にできるかと言えば微妙ではある。

 

今はYOUTUBEや台本がインターネットで、無料で手に入る。

(昔は、台本を手にする事自体が困難だったが、今は容易い。
料理人と一緒ですぐレシピは手に入る世の中だ)

 

センスがあればやろうと思えばやれる。

 

 

でもプロに入門した方が、「プロとしてやっていけるのか」が

早くわかるし、ネットに溢れてる情報でない「生の情報」が手に入る。

 

「誰でも出来る情報」をネットから拾うだけでは、

「誰でも出来る芸の情報」しか手に入らない。

 

だから、素人がネットで覚えるだけでは、

プロと何かが違うようになってしまいがちだ。
 

料理を作る事と、飲食店を経営する事は別なのと一緒で、
落語をすることと落語家をしていく事が別みたいな話。

 

 

では芸能人はどうなのか?

ある意味、そこらの素人と同じ「ネットで手に入る情報」で落語を覚えても、

そこらのプロよりオモシロかったりする。

 

わりと売れてる芸能人なら容易くやれてる感がある・・・なぜか?

 

それは、「芸能界でつちかった(そこらの噺家が知らない)笑いのノウハウ」を

持ってるから、普通の芸人よりその分アドバンテージがあるからだ。

 

方程式で書くと、

 

落語の面白さ=Aネットなど誰でも手に入る情報 + B噺家にならないと手に入らない情報 + Cセンス(個々の情報)

 

となるが、芸能人は、Bがなくても「C」の量が、普通の噺家より大きい。

(もちろん、Cが小さい芸能人は、そこらの素人と同じになるが・・・)

 

だからネット情報で落語をしても十分面白い(笑)

 

また、売れてる芸能人は知名度があるので集客力がある。

「面白さと集客力は“必ずしも”比例しないが、ある程度は相関性がある」だけに

ますます「芸能人の落語」と「噺家の落語」の価値を比べることはできない。

 

逆に言うと「人数」や「売上」は比較しても良いが、

「価値」など比べるものではない。お客さんが感じ取れば良い。

 

もし、お客様がその落語を面白いと思えば(それがAだったり、Cかもしれないが)、

「落語の面白さ」をお客様は知ることになり、落語の裾野はどんどん広がっていく。

その意味では集客力のある芸能人が落語をすればするほど、裾野は広がる。

 

だから芸能人はドンドン落語をしていってほしいし、

ドンドン落語家にも転身して欲しいと思う。

 

 

※ある意味、芸術の世界でも、これって

芸能人が「個展」をやったら、それなりに評価されたりするのと一緒なんやろね。

きっとその世界も、芸能人が自分のジャンルに

どんどん興味もってほしいと思ってるんかもしれない・・・。

 

※ただ、入門当初の私は、芸能人の落語とかに

かなり否定的だったと思います。えらいもんで180度変わりました。。。

それは「修業の意義」とかそういう個人的・生理的な気持ちに根差したものでしたけどね。

「個人としての自分選択」と「公として持っておく思想」は全く違うからね。

若い時は私は前者を皆さんにおしつけたくなってたと思います。

 

今は感情として後者を持ってます。