§3-196 ジャパンカップ ◎ハーツクライ(2番人気10着)▲10400円 | 男の勝負伝説

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■ ジャパンカップ 

 何といってもディープインパクトの取捨だが、俺は「鉄板」ではないと思っているので頭固定はやめようと思っている。
 それとハーツクライ。ノドナリということだが、ルメールの話によると「軽度」とのことなので、これを鵜呑みにする限りレースには影響はないと思う。

 息の入らない消耗戦になると思われるので、スタミナ不足な馬はバッサリ切り捨てでいいだろう。



◎ ハーツクライ   
◎ ウィジャボード  
○ メイショウサムソン
○ ディープインパクト
▲ フサイチパンドラ 
▲ コスモバルク   
★ トーセンシャナオー


■ 展開読み

展開の中心は勿論ディープインパクト。

シャナオーが逃げる。続いてバルク、サムソン。
ディープ×タケは間合いを計りつつ中団、前の馬を見ながら間合いを計る。
ウィジャ、ドリパスはディープを大名マーク。
パンドラは福永の性格からして後方から。
ハーツは先行してもいいし、後方からでもいい。いずれにしてもディープに対応して動くはず。

武豊は前の馬を行かせるだけ行かすので、前の馬は結構楽ができるはず。アンカツみたいにプレッシャーをかけには行かない。
というわけで展開利があるのは「武より前の馬」。瞬発力で勝負するタイプはディープ相手では分が悪い。
スローだと瞬発力タイプに追い比べで負けてしまうので、シャナオー、バルク、サムソンは平均ペースで後続を引き離し、早め抜け出しを図る。
シャナオーは菊花賞でバテていることから、今回は相手関係も踏まえておつりがなくなる可能性が高いが後藤の逃げなので要注意。

とにかく、武が有力馬に乗ったときは前の馬には常に警戒したい。過去のディープインパクト出走レースを紐解くと…

ダービー2着インティライミ
菊花賞2着アドマイヤジャパン、3着ローゼンクロイツ
有馬1着ハーツクライ、3着リンカーン、4着バルク
阪神大賞典2着トウカイトリック
春天2着リンカーン
宝塚3着バランスオブゲーム

東京の馬場状態とコース形状を考えると差し有利なのだが、相手関係の面で前が有利になると読む。

■ 3歳馬と古馬の比較

天皇賞にアドマイヤムーンが出走していたのでこいつをモノサシにしてみる。

馬名性齢騎手タイム着差通過順上3F
714ダイワメジャー牡5安藤勝己1.58.802-02-0235.2
510スウィフトカレント牡5横山典弘1.58.91/209-07-0634.7
815アドマイヤムーン牡3武豊1.59.03/410-10-1034.2
48コスモバルク牡5五十嵐冬1.59.13/406-06-0634.9
47スイープトウショウ牝5池添謙一1.59.23/408-09-0934.6
24ダンスインザムード牝5北村宏司1.59.31/203-03-0335.5


アドマイヤムーンは、皐月賞4着、ダービー7着だった。
バルクに目立った不利があったわけではなく、スイープトウショウや、ダンスインザムードに(最速アガリで)先着していることからも、
3歳世代レベルは高く、一線級メイショウサムソン・ドリームパスポートは古馬と対等か、それ以上と見るべきだろう。

サムソン・ドリパス≧スウィフト

その他3歳の活躍では、毎日王冠4着のマルカシェンク、地味なところではスプリンターズ3着タガノバスティーユなど。

■ 外国馬と日本馬の比較

ウィジャボードとのディープインパクト、ハーツクライの能力の差がどの程度か?
目安として東スポに掲載されていた国際レーティングを比較してみる。(2006年10月発表)

・IFHA(国際競馬統括機関連盟)が先月発表した「ワールド・リーディング・ホース」のランク
(単位・ポンド=相対的な強さを数値化したもの)
順位 レーティング 馬名 レース・着順
127 レイルリンク 凱旋門賞1着
126 ハリケーンラン キングジョージ1着
125 ディープインパクト 凱旋門賞失格(3着)
エレクトロキューショニスト キングジョージ2着
シロッコ コロネーションC1着
11 124 ハーツクライ キングジョージ3着
12 123 プライド 凱旋門賞2着
17 121 ウィジャボード プリンスオブW1着
25 120 イングリッシュチャンネル ターフクラシック招待1着
参考 118 メイショウサムソン

これを見る限りではディープ>ハーツ=ウィジャ
(セックスアローワンス=牝馬斤量減:欧州では1.5キロを考慮してプラス3ポンド)
ということになるが…

■ 牝馬と牡馬の比較

馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F
12816カワカミプリンセス牝3本田優 542.11.4降着09-10-08-0734.5
815フサイチパンドラ 牝3福永祐一542.11.611/208-08-07-0434.8
48スイープトウショウ牝5池添謙一562.11.6クビ11-11-11-1134.4
611ディアデラノビア 牝4岩田康誠562.11.7クビ07-07-08-0734.6
11アサヒライジング 牝3柴田善臣542.11.7クビ03-03-03-0235.3
23アドマイヤキッス 牝3武豊  542.12.013/405-05-03-0235.6
35ソリッドプラチナム牝3小牧太 542.12.1クビ09-09-11-1234.8


エリザベス女王杯は牝馬同士なら3歳優位が浮き彫りになったレース。牝馬は3歳世代が特に強い。
牡馬相手にもG1勝ちのあるスイープトウショウに先着しているカワカミプリンセス・フサイチパンドラは、牡馬と同等以上と評価したい。
フサイチパンドラ≧スウィフトカレント

■ 買う馬

◎ウィジャボード
本来追い込み脚質なので、小頭数で広い東京コースのJCは競馬はしやすいはず。
今年は10~11ハロンでのG1で良績を数多く残しており、 11月4日の11ハロンのブリーダーズカップフィリー&メアターフでは圧勝した。
今回は12ハロン。世界レベルの男馬相手に最後の1ハロンを粘りきれるかという不安は確かにある。
近走は前でも競馬ができる上に、直線でも2段ロケットの伸びが利くようになってて、去年のJC5着よりは確実に力をつけてるらしい。
脚質に自在性が出てきたという点では展開に左右される危惧も少ない。
外国馬で気になるのが輸送だが、これだけ海外遠征経験が豊富だと、その不安も少ない。
鞍上のデットーリについては、G1のときの成績が【2-1-1-0】と、複勝圏を外したことがない。(アメリカ、イギリス、香港)
不安材料よりも買い材料のほうが強いので本命。


◎ハーツクライ
ルメールに言わせれば昨秋から今年にかけてパワーアップしているとのこと。
そもそも晩成タイプの血統なので、まだまだ伸びしろはあるだろう。
まあ去年のJC2着は勝ち馬とほとんど差がなかったことだし、順当なら上位だろう。
喘鳴症は軽度ということだが、これを気にしたとすると、あまり思い切った騎乗ができない可能性があるのがウィークポイントか。
ディープと同じく展開万能タイプ。


○メイショウサムソン
サムソン豪快デモ8馬身先着/ジャパンC
ドリパスと比較すると馬体を併せてからの伸びが特徴的なサムソン。
ただ今回は小頭数で広い東京コース。神戸新聞杯のように、内外で併せ馬の形にならないと隙ができる。
菊花賞は大逃げを打つアドマイヤメインを単走で追走する形になって厳しかった。
使い詰めて良くなるタイプなので、菊花賞のときより上向くと見ていい。
格では見劣りしないし逆境に強いタイプなので、古馬相手でも好走が期待できると見ている。
ディープよりも前で粘れる強みから、対抗視。


○ディープインパクト
近走は追い切りは省エネタイプのディープが、今までにない単走で(これまでは併せ馬がいた)えらい飛ばしてたのがすごく気になった。
重馬場の栗東DWで、併せ馬での追い切りを行ったサムソン(78.9)よりも速い6ハロン80秒割れ(78.1)。
これまでは
 3歳時の追い切り:【皐月1着時:DW80.3 ダービー1着時:DW78.3 菊花賞1着時:DW81.2 有馬記念2着時:DW83.4】
 4歳時の追い切り:【天皇賞1着時:DW80.0 宝塚1着時:DW84.4】
併走馬に遅れた天皇賞でも、追い切りと結果が直結しなかった。

JRAとしてはディープに勝って欲しいだろうから、ディープ仕様の馬場になる可能性は高いだろう。
が、馬の状態が前提条件。本番で闘志を発揮できるだろうか?

禁止薬物の一件はドーピングのイメージと被るので、世間にはダーティーなイメージが強くなった。
そもそもドーピング効果などまったくない呼吸器官系の薬物だったのに。調教師は管理にもっと神経質になるべきではあったとは思うが。
JRA理事長のコメント(「汚点」という言葉を使ってしまった)も危機意識が希薄でますます誤解を増長するもので、
このイメージの払拭や世間からの目線のほうに意識が行ったとすると、武でも取りこぼす可能性は十分に考えられるんじゃないかと。
また、ディープ自身もレースを観る側の視点が変わっているのには敏感になるかもしれない。
引退まで残り2走。武からしたら絶対に取りこぼせない一戦。プレッシャーも相当だろうな。


★トーセンシャナオー
G2セントライト記念を勝っているが、相手が弱く展開も向いたので、ここで見せたパフォーマンスは低い。
しかし逃げ巧者後藤が鞍上なのと、再び展開が向きそうなところから、逃げ残りの目を考えて穴馬としておさえる。


▲コスモバルク
正攻法の競馬も今回は相手が悪いしこの小頭数では展開も向かなそう。
とくに不利があったわけでもない天皇賞で3歳馬に先着されていることからも、強調材料は乏しい。
上積みには疑問。しかし展開利が見込めるのと、


▲フサイチパンドラ
パンドラ中1週も鋭い伸び/ジャパンC
間隔が詰まっているのが気になるが、素質馬なのでいきなり古馬相手でも通用するかも。
ちょっと相手が悪いが、前でも競馬ができるので残す。

■ 消す馬


スウィフトカレント
天皇賞で見せたパフォーマンスの高さは特筆だが、アレがMAXだと見ている。
ヨコテンなら能力を最大限に引き出す腕があるし、インを回っていたから距離ロスはなし。
それでいて最後は他馬と同じ脚色になっていた。
5歳、どちらかというと早熟タイプということもあり、あの天皇賞以上の+αは考えにくい。


ドリームパスポート
ドリーム折り合い欠き12秒9/ジャパンC
特徴をひとことで表すと「一瞬の差し脚」。
G1でも通用する確実な斬れる脚はよく言えば堅実だが、長く続かないのが勝ちきれない原因。


フリードニア
実績も物足りない上に調子も一息。 鞍上のジレも限りなく地味…いらんやろ。


ユキノサンロイヤル
なぜここにいるのかが不思議。もしかしたら切羽詰ってドーピングしてくるのかもしれない。
単勝オッズがどれくらいになるのかがむしろ気になる。
田中負春先生とのナイスコンビで、ブービーに食い込めれば頑張ったほうだろう。

■ 馬券

【本線】
 3連単F: ◎◎→◎◎○○→○○▲▲★ 各100円(12点)
 3連単F: ◎◎○○→◎◎○○→◎◎○○▲▲★ 各100円(60点)

【穴:トーセンシャナオーの表裏】
 3連複: ★軸-相手◎◎○○ 各300円

計 10400円






≫結果

超ノーテンだっ!

ペースが遅くなった時点でアウトだったな。。。スローで前が有利という次元のレースではない。
当然前は瞬発力タイプの末脚を封じるためにオーバーペース気味の消耗戦を演出するべきだったんだろうが…
シャナオーの大逃げを期待してたんだが…まあディープ相手だからレースをぶち壊すような騎乗ができないにしても…遅すぎるわ。
中盤の異常なラップの緩み、差し追込み勢に有利な展開になった。

 LAP 13.1-11.5-12.4-12.1-12.0-12.7-12.7-12.4-11.9-11.5-11.3-11.5
 通過 37.0-49.1-61.1-73.8  上り 71.3-58.6-46.2-34.3  平均 1F:12.09 / 3F:36.28


まあディープインパクト仕様のレースになると読んでいれば、瞬発力タイプ中心の馬券組みでもよかったか。
ドリパスもウィジャも恐らく思ったより楽に届いてしまったってとこだろう。それにしてもドリパスは強い。ウイジャボード以上に。
というか岩田の位置取りもよかった。次も岩田なら届く脚かどうかが測れるだろうからペースがもうちょい早くなっても侮れない。
…しかしハーツクライはどんなデキやねん。