ジュニアテニス備忘録(59)いなくなったYoutuberの所感 | 柵飯事2~shigaramimamagoto ~

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たまにユーロロックや日常についても投稿してます。

 

 かなりマニアックな上の記事の閲覧件数が結構あるなあと思っていたところ、どうも、この記事にも掲載したYoutuber「限りなく透明に近いやきそば」氏のアカウントがBANされていたことが原因のようです。いろいろ検索してみると、突然のBANだったようなので、事前の警告もなされていなかったのかもしれません。
 チャンネルが復活した際や、目に余るような内容との批判がなされた際は、この記事も削除する可能性もあり、かつ、後出しじゃんけんでもありますが、この際、ちょっと言いにくかったこのチャンネルの問題点を述べてみたいと思います。

 テニスのフォームに関する技術論については議論しやすく、また、多くのアマチュア・プレーヤーの関心の的であることから、これを取り上げることについては良いことだと思います。また、10年以上前からゴルフやバットスイングで取り上げられるようになった4スタンス理論、すなわち、人によって体の重心の位置が違うところ、その体の特性に合わせた最適のスイングについて解説するのも結構だと思います。ただし、つぶさにチャンネルをチェックしていたわけではないのですが、そうしたフォーム論とは違う面で問題だと思う点がありました。

 まずは、やきそば氏の過度の口の悪さです。これはチャンネルを視聴した方全員が感じたはずです。侮蔑的な表現が非常に多く自分はこれが一番ダメでした。やきそば氏が理想形と考えるフォームでないプレーヤーを、クソダサだのアホだの言ってプロアマ問わず罵倒していました。しかも身体特徴を揶揄する表現も多く、一生懸命やっている他者に対するリスペクトはまるで感じられません。

 次に、著作権的に本当に大丈夫なのかと思われる雑誌や動画の転載です。フォームの分析にプロのプレーのコマ撮りは便利ではありますが、このチャンネルはほぼ転載に頼った投稿で、テニス雑誌の写真をスキャンした画像や他の人の作成した動画を膨大に投稿していました。感覚としては、著作権者の承諾を得ていたんだろうかということに加えて、こうした編集よりも御自身やお仲間のプレーを動画とする方がうんと楽であり、説明としては分かりやすいはずなのに、そうしないことが今一わかりません。彼は、他人を罵倒し、かつ「こんなの誰でもできます」などと言っているのであれば、なおさらです。

 そして、やきそば氏がどういった訴求効果を狙っているのか分からない点です。内容はサンデープレーヤが訴求対象としては最適かなあというのが自分の印象です。フォームを固めるほどの経験量や練習時間がない方、例えば、同じような動きを反復する成人向けテニススクールのレッスン生や中高年者のダブルスを中心になされている方にはそれはそれで良い情報なのかもしれません。
 しかし、このブログで何度か触れているとおり、ジュニアを含めた競技志向のアマチュアにとっては、フォーム以上にフットワーク、ポジション、タイミングの習得が求められます。また、練習量が多ければ、完ぺきではなくとも、走る、止まる、振り出す動きの中で必然的に自分に合ったフォームの土台までははできます。つまり、フォームを固めるのを優先するよりも、「タマ勘」を上げるだけの練習量と若干のフォームに関するアドバイスにより、その人の気持ちの良いラケットの振り抜き方の大枠はできてくるので、あとは、自分の目指すプレースタイルに応じた球筋やコントロールを実現するためのグリップやフォームに向けた調整をするというのが、競技志向者のやり方だと思っています。こう言っては身も蓋もありませんが、筋力もフォームには大きな影響を与えますので、パワーがない中高年者が勝ちに拘るのであれば、プロのスイングでなく、フラット系の押すスイングの方がずっと効率的な場合も少なくないはずです。
 しかし、やきそば氏は、比較的競技レベルの高いプレーヤーのフォームまで愚弄していましたので、本人はレベルの高いプレーヤーを訴求対象としているつもりでいるのだろうと思われます。しかし、高レベルの競技者に対して、サーブであればともかく、ゴルフやバッティングのように、ストロークについても理想のフォームに完全に合致させるようコーチングする例は聞いたことがありません。ラリーを続けることを目標とするレベルの方にプロ仕様のスイングに近づくようレッスンするのも非現実的、個性的であっても競技レベルのプレーヤーに大改善を求めるのも非現実的。結局、彼が理想とするフォームが再現できない人を愚弄するのも、理想のフォームを押し付けるのも違うはずです。

 

 このチャンネルをつぶさに見てきたわけではないので、断定することはできません。とは言え、やきそば氏は自身のプレーを一切見せていない、練習方法に関するメソッドは明かさない、大量のテニス雑誌を購入して分割写真等をきれいに編集してチャンネルに転載している、フォーム命、口が悪い、今から50年近く前の村上龍の小説タイトルをもじっている、辛口批判されたガチのプレーヤーのコメント返しにモゴモゴしていた(これは自分も確認しました。)、といったことから、この方がどういう方かなんとなく想像してます。少なくとも、競技者の指導をした経験はほぼほぼないのではないのかなと邪推しています。