中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、収束の様相を見せず、拡大を続けています。
日本でも武漢市から来日した4名の発症が確認されており、東南アジアやヨーロッパ、アメリカでも同様の患者が確認されています。
ここに来て、中国政府は武漢市等の湖北省のいくつかの都市を封鎖したものの、武漢市ではそれまでに500万人が武漢市から避難のために移動してしまっているとの報道もされています。
日本の様な国では取れない措置も中国政府は発動していますが、湖北省政府を中心に、初動の遅れは否めない状態で、世界の脅威となりつつあります。


この新型コロナウイルスの影響は、経済面にも影響を与えています。

武漢に展開している日系企業の経済活動は完全にストップしているのみならず、インバウンドにも影響が広まりつつあります。
中国政府が海外への団体旅行の禁止措置を講じた事もあり、春節の時期にも拘わらず訪日中国人は、通常よりもむしろ減少傾向にあり、観光地では徐々に影響が拡大しています。
経済的には中国観光客のインバウンドは期待したいものの、感染を広げない為には、訪日を完全にストップして欲しいとも思えます。
ジレンマの中で、感染拡大の経済への影響を懸念し、日経平均株価が500円程度下落すると反応を示しています。
早期に感染制圧され、経済が通常時へと戻る事を願うばかりですが、中国だけでなく日本の対応も後手後手になっているようで、日本国内にも感染者が出ているとされています。


観光地は外国人なしには回らなくなっているので、一刻も早い対応を望みたいところですが、一方で観光においては、ホテルのキャンセルが相次いでいるとされています。
場所によっては3分の2がキャンセルというエリアもあるようです。
そうなってくると、今後の経済情勢にも更に影響が出てくるでしょう。


今年は世界的に見ても、暖冬で乾燥しているので、風邪がはやりやすく、また野菜が取れすぎてしまい、余っているのが現状で、鍋の具材なども売れ残っているようです。

スキー場では雪が降らずにスキー客が激減しています。

雪が少ないと、都市部では滑って転んでけがをするというようなリスクがない分喜ばれそうですが、そういうわけにはいきません。
昨年の10月に消費税が増税され、経済が冷え切った時に、肺炎による観光客の激減や暖冬でさらに経済状況が悪化するのではないかと思われます。


そもそも今年はオリンピックが終わると、景気が減退期に入るといわれているので、先行きが不透明になりそうなのに、年明けからこういった話題が先行すると、どうしても不安になるのは仕方がないのかもしれません。


また、症状として発熱がない事もあり、潜伏期間が10日程あるため、水際での検疫にも実効性が薄く、日本での感染拡大は煽ったり、デマな情報に踊らされたりせずに、結局は個人個人の自己管理に委ねられてしまうのは悲しいですが手洗いうがいや基本的な事は忘れずに行いましょう。


武漢に居る邦人はチャーター機で希望者を帰国させる準備も進めており、春節の休暇が終わっても、武漢市に展開している企業の活動は再開される目途が立たず、大きな打撃を受ける事が予測されます。
現在は世界は連動しており、どこかで起こった事が、世界の経済に大きく打撃を与える事が常であり、現在は新型コロナウイルスの肺炎が大きくクローズアップされていますが、火種は他にもあります。
 

中東の不安定さがアメリカとイランの関係悪化で増しており、原油や天然ガスの供給リスクも抱えています。
日本の国会においても、内向きな汚職や疑惑に議論を終始するのではなく、もっとこうした世界全体に対する戦略やリスク対応について真剣に議論してほしいものです。

 

今はただただ、一刻も早くコロナウィルス問題が解決するよう願うばかりです…