日立製作所、ソニー、東芝の液晶パネル事業が統合してできた「日の丸液晶メーカー」として知られているジャパンディスプレイ(JDI)の2019年4〜6月期の決算が9日発表されました。

 

本発表によりますと、純損益が832億円の赤字(前年同期は17億円の赤字)となっており、6月末時点で772億円の債務超過に陥っています。

これまで赤字決済が5年続いてきており、今期で負債が資産を上回る状態になったことになるわけです…。

 

この原因としては、主要顧客であるアップルのスマートフォンiPhone(アイフォーン)の販売が苦戦し、スマートフォン向けの液晶パネル事業が不振に陥っていることが挙げられると思っています。

稼働率の低下によって7月から操業を停止している白山工場の減損処理を行い特別損失を計上した事も赤字幅が膨らんだ要因でしょう。

なお、この白山工場の特別損失は516億円にものぼっています。

 

JDIでは、この不振のスマホ向け液晶パネル事業を分社化し再建を目指しているようですが、液晶パネル事業の分社化は12月末を目途に行われれる予定になっています。

そしてその後は現在需要が拡大している車載向けパネルなどの事業に舵をきる構想を描いているとのことです。

 

しかしながら、米中の貿易摩擦の激化などによる世界経済の減速傾向が強まっており、想定通りに業績を改善できるかは依然として不透明なままであるのは間違いと言えるでしょう…


また、JDIは債務超過の状態から脱却するため、新たな800億円の金融支援の契約を中国・香港の企業連合と7日に結んでいます。

この共同記者会見が9日に開かれる予定でしたが、直前になって「健康上の理由」のため急遽中止になっています。

この契約には法的拘束力があり、支援が中止になる可能性がないとJDIは主張していました。

この800億円の資金が振り込まれない可能性も残っているので、個人的な意見としても再建の先行きは依然不透明な状態でしょう。

 

今後もなんとか乗り越えて頑張ってほしいと思ってます。

頑張れ日の丸液晶メーカー!!