人生の最期はいつ、だれにでも突然訪れます。

その最期の人生をどこでどのように迎えたいか。

皆様は考えた事はありますでしょうか?

 

内閣府の『高齢者の健康に関する意識調査』によりますと、延命治療を希望すると回答した方が4.7%、延命治療はせずに自然に任せてほしいと回答した方が91.1%となっております。

この調査の数字は平成24年度版ですが、平成14年度の同じ調査においては命治療を希望すると回答した方が9.2%、延命治療はせずに自然に任せてほしいと回答した方が81.1%でした。

従って延命治療希望者の割合が減り、自然に任せたいという人の割合が増えてきていることが結果としてわかっています。

 

また、人生最後の時を病院ではなく、自宅や高齢者住宅や施設などで迎えたい人が増えた事で『看取り』に注目が集まっています。

・看取りとは、『病人の側にいて世話をすること。また、死期まで見守り看病すること』です。

医療機関での対応の必要性が比較的低いと判断された対象者における終末期において、身体的、精神的負担を緩和させ、本人の意思を尊重しつつ、最期まで安らかに過ごせるような様々な援助を続けるものです。

 

それでは、高齢者施設においてはどこでも看取りが可能なのでしょうか?

看取りを行うのは施設職員にとって相当な負担となります。

高齢者施設での看取りは、平成18年4月からの介護報酬に『看取り』が付くようになり、広がってきたものの介護業界全体のマンパワー不足もあり、看取りまではできないので、最期は病院で…という施設も当然存在しております。

 

看取りを行う施設では入居時において看取りを希望するのか、最期は病院に入院するのかを記入します。

(もちろん途中での方針変更は可能です)

施設での看取り希望と言っていても、いざとなるとやはり入院したいというケースがあるからです。

 

高齢者施設で看取りを希望する場合は、看取りを受けられるのか。実績はどの程度あるのか、夜間の看護体制はどうなっているのかを、施設ごとに確認する必要があります。

最近では、夜間も看護士が常駐している介護付き有料老人ホームも少しずつ増えています。

しかし、看取りを行う施設であっても、たとえば特別養護老人ホーム(特養)では、夜間は看護師が勤務していないところがほとんどですので、医療対応には限界がある事を理解する必要があります。

 

たとえ看取りを行なっている施設であっても、夜間にひっそり息を引き取るケースもあるようで、それもまた自然に任せた結果という事で、あまり苦しまずに亡くなる事が出来て良かったという考え方も成り立ちます。

 

どこでどのような最期を迎えたいか、元気なうちから、元気な現在だからこそ考えておきましょう。