新複合型ビルの建設ラッシュは、経済にプラスになるのでしょうか?

ここ2、3年で新宿・渋谷・池袋を筆頭に東京の多くの都市が再開発されています。

目的としては2020年東京オリンピックを視野に入れてのものが多いと思いますが、老舗・昔ながらのビルが多く閉館し、新しい駅ビルや複合型ビルに変わるのは寂しい気もします。

最近できた吉祥寺キラリナ、渋谷ヒカリエ等の複合型ビルには海外の方でも来やすいように、知名度が高い店舗が軒を連ねています。
ですが、都市部に密集してより一層、郊外に人がいなくなって地方と都心部の格差が出ていくことは懸念されます。

また、通網の整備は果たして吉と出るのでしょうか?
北海道新幹線の工事や北陸新幹線の開通など、東京だけでなく地域活性化もいよいよ本格的になってきました。
東京でも常磐線・東海道線・横須賀線・東北本線が全て一本になる東北縦貫線がついに全区間開通になり、多くの場所にスムーズに行けるようになったのはいいですが、弊害として人身事故や災害などでひとつの路線がストップした場合、他の路線も足止めされることが懸念されます。
2011年に発生した東日本大震災の時は首都圏の鉄道はすぐに全てストップしました。
こういった有事の際に果たして臨機応変に機能するのか疑問な部分はあります。

そして、再開発の一方で復興は進んでいません。
再開発が進められる一方、優先度が高いはずの復興が進んでいないという矛盾が起こっています。
震災からもうすぐ4年経つわけですが、府中市の都市再開発では開発費が復興支援費用から割り当てられていたというのが公になり批判が殺到したというのは記憶に新しいです。
復興が進まない原因の一つとしては、人員不足というのが挙げられています。
復興作業だけでなくオリンピックに向けての再開発計画に必要な人材が不足しており、昨年からオリンピック関連企業は積極採用をしています。
再開発において大切なことは、やはり震災などの災害に強い街づくりをするかどうかです。
東日本大震災で尊い多くの命が失われました。
あの災害を教訓に短期的な地域誘致による増益に惑わされず、長期スパンで見た再開発計画を立てる必要があるのではないかと思います。
もっと真剣にがんばろう日本。