昨年、世界文化遺産となった富士山ですが、シーズン中には多くの観光客や登山者が訪れたようです。

冬の今では関東地方は乾燥した晴天が多くなり、高所に登ればその姿をのぞむことができる時期でもあります。

一般的に富士の登山シーズンは夏場の7月上旬から9月上旬までですが、それ以外の時期でも登る事はでき、冬山訓練場所としてや冬の富士を登る人も多くいます。

しかし、昨年の冬の富士での遭難者は前年より5割増え106人となり、昭和48年以来の最多となったといい、遭難者救出のために静岡県警の山岳救助隊が出動した回数は、前年の3倍の94回あったといいます。。。

この遭難者増加の背景としては、世界遺産となったということで不慣れな登山者が増えた為といい、観光気分で登る人が多かった為だとしています。

確かに秀麗な山ではありますが日本最高峰でもあり、冬の富士の恐ろしさは、作家で気象庁職員でもあった新田次郎氏の小説でもその凄まじさが描かれています。
又、2009年12月24日、レーサーで登山家でもある片山右京氏一行が冬の富士で遭難し、救助要請の為に下山できた片山氏だけが助かったという事故もありました。

そのなかでも、死亡事故は7~9月の夏山シーズンでは1人でしたが、冬の閉山期での死者は4人であるといいます。
冬の富士は完全な冬山装備でなければ不可能で、厳冬期の冬富士に観光気分で登ろうという人がいるとはおもえませんが、春や初夏、秋口にかけて富士山の5合目までゆける時期には、軽装のまま登山道に入り込み、上部での雪と氷で戻るに戻れなくなり、携帯電話で救助を求めるという事例もありました。

2014年という新たな年となり、冬空に秀麗な姿を見せてくれる富士山ですが、今が一番厳しい時期でもあります。
今年も多くの登山者が訪れるのでしょうが、安泰な一年であってほしいものです。