日本の総理大臣の靖国参拝が連日マスメディア等で盛んに報道されていますが、お隣の中国では意外な対応をとっているんですよね。

政府高官や外交筋などは、いつものように抗議しているのですが、国内向けには一切の反日デモを禁止しているというのです。

実は、今中国の本音は「靖国どころではない」というのが現状なはずです。
先日の記事でも書きましたが、現在の主席になってから、権力闘争と汚職排除、さらに日増しに悪化する環境問題や各自地区における民族対立、そしてこれらによって募る民衆の不満へのテコ入れに躍起になっているからです。

中国政府が最も恐れているのが、中国国内の反日デモが暴走して反政府デモに移行し、それを中国共産党軍が黙認するというシナリオでしょう。
中国における軍とは中国共産党が抱える軍隊であり、言わば私軍です。
そのため党結成以降、さながら旧日本軍のような軍閥が割拠しており、中央政府自体も完全に権力を掌握していないと言われているのです。

そんな状態で仮に反日デモを容認すれば、たちまち中国各地でデモの嵐が吹き荒れるのが明白です。
中国国民にとって唯一許されるのが反日デモであり、その根底には根強い政府に対する不満が渦巻いていることを、中央政府もしっかりと認識しているのだと思います。

そもそも靖国問題は、中国にとっては一つの外交問題でしかないわけで、昭和60年までは問題にすらしていませんでした。
靖国問題に関しては、中国より日本の一部のマスコミが熱心で、中国は彼らに付き合っていると言うのが現状なので、中国国内の内政事情が悪化している現在、靖国問題は中国にとって余り関わりたくない問題なのが本音のとこなのではないでしょうか。
靖国問題で中国が反日デモを一切認めないのは、そうした国内の情勢が背景に存在しているからだと思います。。