はっきり言って市場は黒川新総裁に変わってもサプライズはないと踏んでいました。
全ての材料は出尽くしたと、そう誰もが思っていたと思います。
その言葉を裏付けるようにドル円は調整の売りが進み92円70銭まで下落していましたし、ドル円の第二ステージは参議院選挙の結果次第だったと思われていました。

為替相場は、繰り返し「金融緩和を断行する」と訴える黒田総裁の発言を受けてもなお、昨日までは93円台の円高傾向になりつつありました。
しかし今日の発表後、現在95円まで円が安くなっています。
同時に、日経平均株価も午前中までは前日割れだったのが
14時前後を境に急騰。一気に前日比272円まで値を上げています。

新総裁の就任の時から大胆な発言が目立っていた黒田氏ではありますが、本日2013年4月4日の黒田新総裁の日銀デビューは市場の予想を覆しましたね。
日銀は全会一致で長期国債の買い入れ対象を40年債を含むゾーンまでの拡大を決定。
インフレ2%を達成するためには長期国債の購入は必須だといわれていたが黒田新総裁はさらに一歩踏み込んできました。
そして、日銀の発表後ドル円は3円以上の急騰。
これは過去の日銀の円売りドル買いに匹敵する上昇でしょう。

ここ数日イタリア政局問題からキプロス問題まで色々あり足を引っ張られる形でズルズルと円高に流れて行っていたので、この日銀のサプライズ発表を受けて円安の期待感は市場に出て回るのではないでしょうか?

具体的な策が打ち出されたことで、期待が高まっているのでしょうが、明日以降もこの基調が続くかどうか見ものですね。

今までの円安トレンド自体が実態のない期待感だけの円安だったのでとても危険だと思っていましたので、これからは製造業やGDPの実勢に基づいた需要主導型の円安になっていって欲しいです。
まだまだ欧州のユーロ問題(キプロスやスロベニアの危機も噂があります)やアメリカの財政の壁の問題などこれから円安に向かうにはまだまだ障害がありますが、それでも今年の参議院選挙を自民党が議席を取れば年内に100円を超えることもあるかもしれませんね。
どちらにしても景気が良くなっていって欲しいものです。