「一票の格差」問題について。
一票の格差問題とは国会議員の選挙の一票の価値が地域によって違うというものです。
例えば、過去の衆議院選挙では鳥取県の議員の一人あたりの有権者数は24万人でしたが、神奈川県では121万人でした。

神奈川県で立候補した人が当選するためには、鳥取県で立候補した人の5倍の票数を集めなければならないというわけです。
言い換えると、神奈川県の有権者の一票は鳥取県の有権者の一票に比べて5分の1の価値しかないということです。

で、なぜこれが問題になるかというと、憲法の法の下の平等に違反するからなんですよね。
最高裁判所は衆議院に関してはこれまで何回か違憲判決を出していますが、ついに参議院の選挙に対しても違憲判決を出しました。
これはかなり大きなニュースだと言えます。

大体、日本の裁判所はそんなに違憲判決を出したがらないんですよ。
しかも選挙の違憲判決を出すときは格差があって、すぐ出すというわけではなく格差を是正するのに合理的な時間が過ぎたらというものでした。
つまり、国会が格差を是正する仕事をさぼったら違憲だぞってことなんです。

政治がなぜ、なかなか是正しないかというと、格差を是正するためには議員定数を減らすしかないからです。
要するに自分で自分の首を絞めなきゃいけないわけで、そりゃぁやりませんよね。

しかし、今回の最高裁はけっこう本気度を感じました。
単に格差を是正するだけでなく、抜本的な選挙制度の見直しが必要だという感じで、かなり踏み込んだ言い方をしています。

本当に早く何とかしてもらいたいですね。