17日(土)に、待ちに待った銀座コインオークションがあった。わたしの初陣だ。

 


ショウ井上の「黒革の投資手帳」-オーク1

 

 結論からいうと、落札は1枚で「ウナとライオン」。もう2、3枚狙っていたコインもあったのだが、前半から会場の買い気がひじょうに強いと感じたので本命1枚に絞って入札した結果だ。この1枚は、わたしのラッキーコインにしたい。

 

 

 オークション出品数は、全部で1508ロット。帝国ホテル「牡丹の間」で朝の9時から夜21時30分過ぎまで、途中30分ずつの昼休みと夕休憩を挟んで延々半日以上の長丁場。

 

 狙いのコインは17時30分以降の部ではあったが、オークション初陣ということもあり朝から参加した。雰囲気になじんでおきたかったから。

 

 となりの菊の間でコーヒーのサービスがあったので、始まる前に一休み。

 

 午前は第一部で、日本貨幣の部だ。最初に、オークショニアからオークションのルールの説明があった。初陣のわたしにとっては重要なことなのでしっかりと聞いておいた。

 

 さて、オークションがスタート。1ロット30秒程度で、淡々と進行していく。外は雨模様で寒かったが、会場は熱気でムンムンし始めた。

 

 そして昼休み。やはり隣の菊の間で軽食のサービスがあった。サンドイッチとジュース、ティーをいただいた。

 

 第二部は、12時30分~17時まで。近代紙幣とエラー紙幣が中心。ちょっと会場を抜け出して、一階のカフェへいった。どういうふうに指すかを、もう一度確認。

 


ショウ井上の「黒革の投資手帳」-オーク2

 

 そしていよいよ17時30分に第三部(世界の貨幣)のオークションがスタートした。会場は、超満員に膨れ上がっている。壁際は、臨時におかれた椅子で一杯になっている。熱気むんむんで汗びっしょり。上着を脱いだ。

 

 前半で指したいコインがいくつかあったのだが、全体的に買い気がひじょうに強いので、ウナライオン一点狙いに変更した。たとえば、オーストリアのクッテンベルク銀鉱再開記念の2フローリン銀貨(ミンテージはわずか400枚)は、高くても50万円までだろうと思っていたが、実際の落札価格は70万円だった。他のロットも同様で、買い気の強さをひしひしと感じる。

 

 そして、ビクトリア・ヤング「ウナとライオン」5ポンド金貨の順番がきた。ミンテージは400枚で希少性も抜群だ。グレードは、EF。オークションカタログの参考価格は260万円であったが、メールビッドでいきなり680万円からのスタートとなった。一瞬おっとと思ったが、気を取り直してビッドに応じた。800万円あたりからメールビッドとのビッドの応酬となったが、このあたりで勝ちを確信した。というのは、相手がフロアに来ている資産家のおじさん風やカネに糸目をつけない中国人風であるならば、勝ち目はないとみてわたしも降りたかもしれない。でも、相手がメールビッドということで、当日の買い気の強い空気を感じていないのでどこかで機械的に降りることは明白だったからだ。案の定、相手方850万円のビッドにわたしが応じ、反対に900万円のビッドをわたしのほうから出たところで、相手が降りた。900万円での落札だ。

 

 手数料等含めて990万円。初陣で狙うには大物だったので、最後は上げる札を持つ手が汗ばんでいた。

 

 わたしの初陣である今回のオークションでゲットしたこの1枚のコインは、わたしのラッキーコインにしたいと思う。ラッキーコインといえば、普通胸ポケットなどに無造作に入れて持ち歩くものだが、こんな高価なものをとてもそんなことはできない。せめて、画像をスマホに入れて、持ち歩きたい。今後の私の人生に、幸運をもたらしてくれるだろう。

 

 なんやかやで、わたしの初陣は終わった。インターネットオークションには比較的慣れていたので、フロアオークションも大して変わらないだろうと思っていたが、なんのなんの・・、大違いであった。

 

 場の空気、買い気などが肌で感じられるし、進行が速いので油断していると置いてけぼりを食らう。またルールにも若干の違いがあった。

 

 とにかく、フロアオークションの雰囲気が気に入ったわたしであった。また、オークショニアの人は大変だと思う。12時間ほとんど休みもなく、約1500ロットの競りを仕切るわけだから。たまには、つまらないジョーク(?)で場を和ませながら・・。(笑)

 

 オークション終了後は、同じ帝国ホテルの一階のランデブーラウンジで一休みして、火照った頭と体をクールダウンした。

 

 今回の経験も生かしながら、次の戦に備えたいと思う。