シーザーサラダの語源が、ローマの英雄 ジュリアス・シーザー(ラテン語読み:ユリウス・カエサル)と関係あるのかとよく聞かれる。

 

 シーザーサラダとジュリアス・シーザーは、まったく関係ない。

 

 シーザーサラダの語源は、つぎのようなものらしい。

 

 1924年7月14日に、メキシコ・ティファナのホテルシーザーズ・パレスにハリウッドからの客が、大挙して押し寄せてきた。

 

 米国内では禁酒法が施行されている時代でもあり、酒の飲めるパーティーのために米国から国境を越えて人がやってくることは珍しいことではなかったが、その日のシーザーズパレスでは、大問題が発生した。

 

 レストランのほとんどの材料が底をついてしまい、この大勢の、突然の客をもてなすには全く足りなかった。

 

 このレストラン・ホテルのオーナーである、シーザー・カーディーニは、悩んだ末に、カートにレタス、ガーリックオイル、レモン、卵、パルメザンチーズ、ウスターソース、クルトンとコショウを載せて、客のいるダイニングの中央に進んだ。

 
 そして、鮮やかな手つきで材料を混ぜ合わせ、一つのサラダを作り上げた。


 そしてこのサラダは、一夜にして伝説となり、西海岸に、全米に、そしてヨーロッパにまで広がっていった。
 

 1938年、シーザー・カーディーニはホテルを売り払ってロサンゼルスに移り住み、グルメストアをオープンする。

 

 その店は、古いワインボトルに入れられた彼のドレッシングを求める客で繁盛した。10年後、彼と娘のローザは、会社を作り、瓶詰め、ラベル付きのオリジナル・シーザー・ドレッシングの販売をはじめた。

 こういうわけで、シーザーサラダ、シーザードレッシングがメジャーとなった。


 シーザー・サラダは、ローマの英雄ジュリアス・シーザーとはまったく関係なく、シーザー・カーディーニ氏に由来するということだ。