2007年度のサムライ債の発行額は、2兆6200億円となり2006年度の3倍以上になったようだ。サムライ債とは、海外の政府や企業が、資金調達のために発行する円建て債券のことだ。つまり、金余りで低金利の日本で資金を調達するほうが、コスト的に見合うと考えている海外政府・企業が増えているというわけだ。裏返して考えてみれば、円建て債には為替リスクがあるわけだが、海外はこれ以上の円高はあまりないと考えていることになる。つまり、円建てで調達して自国なりにもどした資金は、将来円に転換して返さなければならないため、将来円高になっているとそれだけ損になるからである。

 これまでの為替レートとサムライ債の発行額の関係を見てみると、円の高値圏でサムライ債の発行が増えるという傾向が顕著である。さすがに海外は、機を見るに敏である。その法則からすると、今回もそろそろ円高のピーク圏ということになるが、どうであろうか。

 

 

書籍:「もの言う株主」

日本でもJパワー株買占めで話題となったTCIと壮絶なバトルを行った企業の経営者が書いたもので、生々しい話が大変興味深かった。

 

もの言う株主―ヘッジファンドが会社にやってきた!/ヴェルナー G.ザイフェルト
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