最近、新聞、経済誌などで、デカップリング論だのリカップリング論だのといろいろと議論されているが、あまりそういうふうに白黒をつけたがるのもどうかと思う。デカップリング(非連動)論とは、近年BRICs等の新興国の経済発展が目覚しいので、少々米国の経済が減速しても他の地域の経済成長があるので、全体的な経済成長は続くというもの。リカップリング(再連動)論とは、いやいやそうは言っても、米国は世界唯一の巨大なものの輸入国なので、米国経済が減速すれば他の地域も減速せざるをえないというもの。

 こう考えれば、簡単だろう。半世紀前ごろの米国のGDPの世界に占める割合は、約40%だった。現在は、約20%に落ちてきている。つまり、世界経済と米国経済の連動性は、半世紀前の半分に落ちてきているということだろう。どこかの国が鎖国でもしているのであればいざ知らず、グローバリゼーションが進展した現在では、このGDPの割り合いを目安にするのが有効ではないかと考える。