最近、書き物で忙しいので、ブログの更新スパンがひらきぎみになってしまっています。すみません。

 ミセス・ワタナベとは、実在する人物ではなくて、FXで最近影響力を持ってきている日本の個人投資家を指して、欧米のメディアが象徴的に名づけたものだ。怖いもの知らずのしろうとの投資家という皮肉も込められている。ここのところ一年くらいは、欧米の為替プロがこのミセス・ワタナベに連戦連敗であったが、8月中旬からの攻防戦で急激な円高を演出し、一矢を報いた。ミセス・ワタナベは、お盆休みで虚をつかれた格好だ。

 短期、中期狙いで高レバのひとの中には、やられたひとも多いと思う。長期狙い(10年スパン)で低レバのひとは、今回の急変でも悠々キープできたであろう。こうようなときに、低レバの優位性が発揮される。ただ、今回の急変劇はまだ終わっていない。過去の急落の例からも、直前の高値をつけてから一ヵ月半後くらいに当面の安値をつけることが多い。今回は、7月20日に当面の高値をつけているので、9月上旬くらいに安値をつける可能性もある。

 一方、IMMポジションで見てみると、円ショート残が8週連続で減少してきており、現在はほぼスクエアの状態にまで減ってきている。歴史的な少なさだ。円高局面の終局は近いであろう。

 ファンダメンタルズでは、過去ブログでも再三述べているように長期円安トレンドは不変であると考える。(理由は過去ブログを参考にしていただきたい。) ただ、たとえば20年で三分の一の円安になるとしても、平均すると一年でたかが5%(複利で)くらいの円安だ。今回のように一年で30%も上がったものは当然調整される。

 最後に、同じ質問が多くあったので、ひとつお答えしておきたい。どうして、円安の進行はゆっくりで円高は急なのかという質問。答えは単純で、大きな金利差があるからである。円安の進行時はスワップポイント狙いの円売りが継続的に入ってくるので、ゆっくりと円安が進行する。円買いをしかけるにはスワップコストがかかるので、長期戦になれば不利になる。当然短期決戦で大きく振らせてくる。今回は、日本がお盆休みで流動性が細っている間隙をぬった仕掛けであったと考えられる。