ロシア農業省が極東地域で捕獲した活ガニの輸出を禁止した(本日日経朝刊)という。ロシア産が日本の活ガニ輸入の8割を占めるため、影響は大きい。あの「かに道楽」は大丈夫だろうか、やっていけるのかと心配になる。これ以外にも最近だけでも、マグロの漁獲割り当て削減や、欧州のウナギの輸出規制の動きなど、日本人の食を脅かす事態が徐々に進行している。IWC総会で日本が脱退を検討していることを示唆したことも、憂慮すべきことだ。このように、食糧も資源ナショナリズム台頭の中で、各国が囲い込みをますます強化していくことは避けられない流れである。金さえ払えば美味しいものは何でも食べられるという時代は終わろうとしている。
これまで日本人がいいものを独占的に食べていたことも事実である。まあ、これからは普通の国のレベルで我慢しなさいということか。それはそれで致し方ないとは思うが、日本の食糧自給率が先進国中最低レベルにあるという現実からみて、生きていくために最低限必要な食料まで外国から入らなくなるということも想定しておかなければならないだろう。そういうリスク要因も考慮した上で、政府は日本の食糧安全保障を考えていただきたいものである。
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