皆さんもご存知の通り、先日ペッパーランチ心斎橋店で拉致、監禁、強姦、強盗事件が起こった。言語道断の行いで酌量の余地はない。ここでさらに問題なのが、店長主導で店ぐるみでやった犯罪であるということである。店員がオフの日に個人的にやったとかいうことではなく、営業時間中に組織的にやったという点で、運営母体である㈱ペッパーフードサービス(マザーズ:3053)の責任は大きい。社長の謝罪会見も誉められたものではなかった。事件を起こした店長をかばう言動も目立った。社員が駐車違反で捕まってどうもすみません、といった程度の軽い雰囲気が伝わってきた。なによりも目を疑ったのが、社長のネクタイが黄色であったことである。このような不祥事の会見では、謝罪の意を表すためにネクタイは地味な色にするのが常識である。心斎橋店だけの問題ではなく、会社全体のたがが緩んでいると言われてもいたしかたない。

 このような危ない店には行かないようにすればいいのだが、具体的にはどのように判断すればいいのだろうか。ひとつの目安になる簡単な方法をお話しよう。私たちの身近にある外食店は、上場企業が運営していることが多い。店名がダイレクトに会社名になっているところもあればそうでないところもあるが、ちょっとネットで調べれば簡単にわかる。上場企業であれば、最近3年分位の株価の推移を見てみよう。短期的な上げ下げを無視してみると、長期的に上昇トレンドにあるか、下降トレンドにあるかがわかる。上昇トレンドにある会社の運営する店は、一般的にいい店と判断していいと思う。このカテゴリーに入る店に行ってみると、サービスもよく、従業員教育も徹底しており、明るく勢いが感じられる。下降トレンドにある会社が運営する店は、掃除が行き届いてなかったり、サービスに問題があったりすることが多い。このようなカテゴリーに入る店は、敬遠しておいたほうが無難といえるのではないか。株価がすべてを物語る、である。ちなみに、ペッパーフードサービスの場合、2006年9月の上場初値35万7千円から事件発覚の前日13万1千円まで長期下降トレンドにあった。きれいに当てはまる。事件発覚後の安値が11万1千円(いまのところ)であるから、強姦事件前に今回のことがかなりの部分株価に織り込まれていたということになる。

 このようなことを考慮して、外食店選びをしてみることも重要だろう。もちろん、現在株価が下降トレンドにある会社の店のなかにも、すばらしい店もあるということを申し添えておきたい。