先日、JALの2007年3月期決算赤字転落の発表があった。繰り延べ税金資産の取り崩しを余儀なくされたためだが、いずれにしても西松社長就任時の公約が2007年3月期黒字決算絶対死守であったはず、赤字転落の発表をするのであれば、ご自身の辞任発表も同時にすべきであった。

 高コスト体質の是正が喫緊の課題であったはずだが、いっこうに改善される様子もない。労働組合と経営陣との関係も悪く、労働争議が絶えない。会社のトップが公約を反故にしても許されるような状況で、社員だけに改革、我慢を押し付けても誰もついてこないだろう。一番改革しないといけないのは、経営陣、経営幹部であるということを忘れてはならない。国策会社のナショナルフラッグキャリアなのでいつかは国が助けてくれるという甘えが、経営陣にあるように思われる。一般企業であればもうとっくに潰れている再建途上の会社であるということを、肝に銘じてほしい。

 西松社長は即刻引責辞任されることで、改革を断行するぶれのない強い意志を示されると思う。そして、後任はJAL内部に適任がいないのであるから、外部から社長を招聘すべきだと思う。そして、外部有識者によりすみやかに再生請負人チームを組織し、改革を推進すべきである。利用者のためにも、JAL社員のためにも。

 

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