豪ドル、NZドル(ニュージーランドドル)、加ドル、南ア・ランドなどは、資源、農作物等の一次産品の生産国通貨であることから、コモディティー通貨と呼ばれたりもする。これらの通貨は、コモディティー価格の水準に連動することが多い。コモディティー価格の代表的指数にCRB指数がある。CRB指数は、トレンドとしては1982年から下落を続け2001年に底を打ち、その後現在まで上昇してきている。この間、豪ドル・円も2001年に56円付近で大底を打ち、その後上昇に転じ現在は約100円の水準である。NZドル・円も2000年に42円付近で大底を打ち、現在は約88円の水準である。最近、オーストライリア人、ニュージーランド人の日本への旅行者が急増している。ニセコのスキー場はオーストラリア人であふれかえり、英語のサービスを充実させた旅館がよみがえり大盛況だという。5年前に比べ、半額で日本旅行ができるようになったのであるから、しごく当然のなりゆきである。

  コモディティー価格は、これまでの歴史では約40年周期で上げ下げを繰り返している。直近では1982年から2001年までの約20年が下落の期間であった。そして現在はその後の上昇過程で、2002年から約20年後の2022年あたりまで上昇傾向が継続するということになる。短く見積もっても、2015年くらいまでは大丈夫ではないか。

 当然、これに連動する豪ドル、羊ドルなどのコモディティー通貨も長期上昇トレンド初期にあると考えられる。これらの通貨への長期投資としては、やはり債権が安全だろう。コモディティー通貨には、比較的高金利通貨が多いのも魅力の一つだ。今、日本人に人気のFXもレバを抑えてやれば非常に魅力的といえるのではないか。長期投資であれば、レバは高くても3倍程度にしておくのが安心だと思う。スワップポイントも多いので長期になればなるほど有利になる。長期上昇トレンドだといっても、たとえばNZドル・円では最近でも05年12月の約87円から06年5月の約67円への大幅下落、約23%の調整があったわけだから、レバが5倍以上の人でポジションを作ったタイミングが悪いと全額やられてしまったことになる。もちろん、短期・中期のハイリターン狙いでFXをやられる方も多いと思うが、それはそれで自由だし成功されている方も多い。

 コモディティー通貨ではないが、最近ポンドの上昇も著しい。ロンドン地下鉄の初乗り運賃が4ポンドだから、日本円で約960円ということになる。日本の地下鉄の初乗りが160円位だから、いかにも高い。もう、金持ちしかロンドンに行けないという時代になった。