鎌倉散策 | 渋谷 茶道教室「松濤庵」

渋谷 茶道教室「松濤庵」

渋谷 茶道教室、松濤庵のブログ。季節に合わせた本格的なお道具を使用して稽古いたします。男性、お年を召した方、全くの未経験者も歓迎いたします。

7月の終わりの早朝に、鎌倉の鶴岡八幡宮へ蓮の花を見に行きました。鶴岡八幡宮へお参りして「茅の輪」もくぐり、清々しい気持ちで、人影のない源氏池と平家池の周りを散策しましたが、今年は花の数が少ないようで残念でした。

 

 

 

鶯の声に誘われて、鶴岡八幡宮の西側に沿った道へ出ると、反対側は木が鬱蒼と茂っていました。案内の看板を見ると「鶯ヶ谷」という旧地名とのこと。昔から鶯がたくさんいたのでしょう。

 

 

看板に書かれていた「志一稲荷」へも階段を上って行ってみました。慎ましく、小さな鳥居と祠でしたが、手入れが行き届いてい大切にされていることがわかりました。

 

志一上人さまに仕えていた狐が一夜のうちに鎌倉から九州まで行って帰り、上人さまを助けてそのまま息絶えたとのこと。動物好きの私は思わずどんな狐だったのかと空想の世界に入ってしまいました。そんな時に、細い電線の上を何かの動物(狸?猫?)がスタスタと歩いて渡るのを見て、びっくり。まるで異界を覗いてしまったようでした。

 

 

お稲荷さんの傍には、崖の中に石仏がひっそりとありました。調べたところ、これは庚申塔(こうしんとう)とのこと。鎌倉にはこのような庚申塔が百カ所近くあるそうです。何百年も変わらずそこにいらっしゃると思うと人の命の短さを感じてしまいました。

 

 

コロナ禍で、茶会も茶事も中止となり、お客様をもてなすことや、亭主と客、客同士の心の交わりが難しい日々が続いています。一人、茶室に座り、神仏にお茶を差し上げる心構えで、台子(だいす)の稽古に努め、点前手順に追われるのではなく、心静かに自分を無にして点前ができるようになりたいと思います。