大人の自由研究 競馬キャスターの作り方・その③ | 小堺翔太オフィシャルブログ『ショウタパドック』Powered by Ameba

大人の自由研究 競馬キャスターの作り方・その③

お付き合いいただいた

大人の自由研究「競馬キャスターの作り方」も

あっという間に最終回となりました。

本当に自分が思っている以上に

コメント等の反響もいただいております。

読んでいただき、ありがとうございます。

 

その①の【研究のきっかけ】にも書いた通り、

少しでも競馬中継に興味を持ってみていただきたい

という思いで書かせていただいております。

そこで今回は、日曜日の競馬中継本番の日をどう過ごしているのか、

タイムライン的に(日本語あってる?)見ていきたいと思います。
 

 

★☆

 

 

競馬キャスターの作り方・その3(終)

小堺 翔太

 

【前回までの振り返りと今回の研究内容】

平日の準備、前日の土曜日には馬券の調子に一喜一憂しつつ、夕方からは中継当日の準備に取り掛かった研究対象の競馬キャスター。日曜日を迎え、競馬中継担当日を迎えた。朝から本番終了に至るまで、どのような過ごし方をしているのか、中継の裏側も含めて時系列でまとめる。

 

 

<4:30~6:00 起床>

いきなり1時間半も時間の振り幅がありますが(笑)これは前日の予習の進み具合によって起きる時間が異なるから。たまに準備が終わっていない週があると、起床時間も早めになります。眠い。朝シャワー必須。

 

<だいたい8:00前後 グリーンチャンネル到着>

いただいた資料や進行表などなど

 

局に着いたら、当日の進行表を確認します。1時間が1枚にまとまっていて、放送の流れやレースの時間が書いてあるもの。ノートを作った時と同じく、パドックCGの色(東=青 ローカル=ピンク)で各競馬場のレースの時間を塗って分かりやすくしておきます。他にも朝のクロストークで使う、各競馬場の解説者さんの印を確認。自分が読む原稿の下読み等を軽くしておきます。

 

<8:10 メイク>

もうすぐ35歳男の朝、寝起き。とてもテレビに出ていい顔ではないので、局のメイクさんにしっかり顔を作ってもらいます。これがある意味一番「競馬キャスターの作り方」かもしらん…(笑)ここでする雑談でちょっとホッとできる時間帯でもあります。

 

<8:20くらい 打ち合わせ>

メイクが終わったら、スタッフさんとの打ち合わせ。進行の確認とか、普段と違うオープニングにする時にはその段取りの確認とかが中心です。その後は本番まで準備の追い込み。相方・梅澤真理子キャスターは原稿の下読みに余念なし。

 

<8:50頃 スタジオに移動>

なんだかんだでバタバタと10分前にスタジオ入り。資料の置く位置とかも自分なりになんとなく固定されていて、最後のチェックをしながら、メイクを直してもらったり、直前にTwitter更新したり(笑)…しているとあっという間に9:00の本番がやってきます。

 

<9:00~放送スタート>

『競馬ファンの皆さん、おはようございます!』って第一声もよく考えると先輩方から自然と伝承されているものかもしれません。自分的にもスイッチが入る挨拶、という感じ。9時台はパドックキャスターさんや解説の方とのクロストークや1Rのパドックのお話を詳しく伺ったりしていると、あっという間に過ぎていきます。

 

<9:50頃~レーススタート>

実はレースが始まるまでの1時間が終わると、ちょっとホッとするタイミングでもありまして…長いオープニングが終わって、モードを切り替える感じ。後はひたすらレースを追っていく流れになります。

 

資料の山。整理が出来ないキャスターです(苦笑)

 

レース中は各馬の位置取りをメモしつつ見ていきますが、基本的な見方は視聴者の皆さんと変わらないと思います。合間で馬券も買ってますし、嬉しいことも、悔しい事も…でも、しゃべるタイミングになったらあまり表には出さないように…。

レースが終わったら前日に作ったノートを確認して、スタジオに戻ってくるまでの少しの時間でしゃべる事を考えます。台本はなく、基本的にアドリブ。なるべくシンプルにとは思っていて、「これしゃべりたい!」とメモしたことも捨てることの方が多く、本当に2割くらい出せればいい方だと思います。後、たまにコメントで『実況の○○アナウンサーもおっしゃっていましたが…』みたいなワードを出す時がありますが、それは話したい内容が重なったときです(笑)

 

払い戻しの後にお伝えする勝ち馬プロフィールは男性キャスターの担当。スタジオには“データマン”という担当の方が一人おり、勝ち馬プロフィールに関してはレース毎に写真のような紙にしていただけるのですが、個人的な肉付けなどもしつつお伝えしているので、良かったら耳を傾けていただけると嬉しいです。ちなみに写真の“キアヌマウナ”は、以前、馬名を嚙み倒してしまった申し訳ない思い出があったので、今回、しっかりお伝えすることができて良かった…。

 

 

いきなりお菓子の画像・・・実はグリーンチャンネルには給仕の担当の方もおりまして、キャスター席の後ろに、一人ひとり分のお菓子を用意してくださっているのです。ちょっと疲れた時間帯にお菓子をひとつまみ…長丁場の放送、大いに助けていただいております。

<12:50頃 担当終了>

この時間帯まで担当して、後半担当の伊藤&栗林キャスターにバトンタッチ。

メイクを落とし、当日の担当ディレクターと軽く反省会をして、業務は終了となります。個人的にプチ反省会が湧いてくるのもこの時間帯…。

 

中継の相方・梅澤真理子キャスター

 

梅澤さんももちろん仕事はきっちりしつつですけど、隣で純粋に競馬を楽しんでいるので、日曜の前半はいい意味でまったりしているかもしれないです(笑)

 

<13:30頃 帰宅の途へ>

ひとり反省会をしながら帰宅。お疲れ様でした。


 

<分かったこと>

・ノート作ったり準備はするが、使えるのは2割あればいい程度

・競馬を楽しむ、という意味に関しては見ていただいている皆さんと一緒

・勝ち馬プロフィールは結構大事な仕事。噛んだりするとかなり悔しい(笑)

 

<今回の自由研究 総括>

3回にわたり、毎週のルーティンをご覧いただきましたが、いかがでしたか?

…とここまで書いて以前、競馬中継の結果で見ていただけばいいから、準備なんて見せて満足するもんじゃない、と生意気なことを申し上げたことがあった事を思い出しましたが…まぁいいや(笑)でも本当にその通りで、放送をしっかりお届けするための準備ですので、生放送の至らぬ点に毎週反省する事も山のようにあります。改めて、気持ちも引き締めて…。

今回は私の場合をご紹介しましたが、グリーンチャンネルの中継キャスターは、形は違えど(笑)みんな競馬が大好きで、それぞれに準備をして、中継に臨んでおります。中継に関して、本当に色んな声もいただくんですが、ファンの皆さんと一緒に競馬を楽しみたいという気持ちは同じ。それぞれ違うキャスター陣の個性も含めて見てもらえたらいただけたら嬉しいなぁと思います(若造の自分が言う事じゃないけど)。

 

最後まで自由研究をご覧いただき、ありがとうございました。

 

では明日もまた朝9時。

グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」でお会いしましょう!

 

 

おしまい。