ディープインパクト | 小堺翔太オフィシャルブログ『ショウタパドック』Powered by Ameba

ディープインパクト

ディープインパクトが亡くなりました。

ただただ早すぎます。

 

悲しいお知らせを聞いてから

いろいろな事が思い出されるのです…

 

 

初めて現地で観戦した日本ダービーが

ディープが勝った2005年のダービーでした。

とにかくディープが勝つ瞬間を見たくて、

友達数人で現地に足を運びました。

 

物凄い人でした。

パドックを見ようにも人の壁しか見えず、

少し高い所へ行っても微かにしか見えない。

彼の一挙手一投足に注がれる視線。

尻っぱねをするたびに沸く歓声。

負けたらどうしよう…という雑念が湧きましたが…

 

それをあざ笑うかのような、

というよりそんな声は聞いてもいないような圧勝劇。

ターフビジョンに外を伸びるディープが

大写しになった時の歓声、忘れることはないと思います。

人の壁の隙間から

かろうじて、ほんの数秒だけ、

走るディープを見る事ができました。

それだけでもお腹の底から感動が湧いてきて、

現地で見られる幸せを噛みしめながら家に帰りました。

 

 

菊花賞の日は家でテレビを見ながら拍手を送り。

有馬記念の敗戦は当時予備校生だった為、

授業の終わりに先生に聞いて知りました。

翌年の天皇賞、

個人的にはあれがディープのベストレース。

〝絶対に仕掛けてはいけない場所″からスパート。

最後にさらに突き放した姿に

東京競馬場でモニター見ながら足がガクガクしました。

 

凱旋門賞は家で家族観戦。

競馬を知らない父ですら、ディープの応援をしていました。

中継で解説をしていた

岡部幸雄さんの「…大丈夫!」が忘れられません。

 

『すべてを振り切って、ディープインパクトゴールイン』

中野雷太アナの実況にグッと来たジャパンカップ。

そして、最後の衝撃、有馬記念。

 

止まらないです。

思い出がありすぎる。

結局、現地で見られたレースはダービーのみ。

それでも強烈に、鮮明に、走る姿が頭に刻まれています。

 

 

 

一昨年、

グリーンチャンネルの「日本列島ダービーの旅」という番組で

ダービー馬の今を見に行くロケがあり、

社台スタリオンステーションを訪問。

ディープインパクトを目の前で見る機会がありました。

 

すぐ目の前をディープインパクトが周回。

その近くで社台スタリオンの徳武英介さんにお話を聞きました。

『彼は全てのパーツが非常に優れている。

全てを引き継ぐというのは難しいのかもしれないけれど、

どこかでも受け継がれれば、それがもう能力になるんです』

という言葉がとても印象に残っています。

 

現役生活を終えて時間は経っていましたが

その歩く姿の美しさ、弾むような歩き。

改めて素晴らしい馬だな、と思わせてくれる姿でした。

感激と醸し出す品のようなものに圧倒され

うまく言葉に出来ませんでした。

それぐらい美しかったです。

 

 

強さ、素晴らしさは

今更語らずとも競馬ファンの皆さんが

それぞれ心の中にお持ちだと思いますし、

語ってしまうとかえって言葉が余計になりそうな

素晴らしい記憶、

そして素晴らしい産駒を沢山残してくれました。

種牡馬としてのお仕事はそろそろ、だったかもしれませんが、

せめてまだまだ元気でいて欲しかったです。

本当に残念でなりません。

 

キズナの仔、

ビアンフェが重賞を勝ちました。

素晴らしい血は何代も先に残っていくはずです。

ディープの子孫からまた大きな夢が

日本から世界へ羽ばたいていくことと思います。

どこかから子供達を

そしてあなたがつないだ日本近代競馬の結晶達の

夢の続きを見守っていてください。

 

本当にお疲れ様でした。

ご冥福をお祈りします。

 

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「日本列島ダービーの旅」で放送された一昨年のディープの姿です