ひとりダービーの旅 ~大井・東京ダービー編~
昨日の名古屋に続いて
やってまいりました
『ひとりダービーの旅!』
東京は雨降り…
…ですが
まさに梅雨入りが発表された今日。
雨です。
少し出遅れて到着は7R前でしたが、
大粒の雨がしとしとと降っていました。
グルームアイランド(6番の馬)
グルームアイランドを応援しながらも
差している傘を叩く雨音は強くなる感じ。
ちょっと気持ちが…
癒されにいきますか。
大井競馬場正門
(大井町行きなどの路線バスロータリーがある方)
を入って右手奥の「ぱかぱか広場」。
ここで馬車を引く馬・クライズデールの兄弟
「アル」と「ウェス」に
ふれあえる体験が行われておりました。
かわえぇ…。
写真はアル君。
かぶっている防止にも「AL トーキョーダービー」の文字が。
触っても全然大人しくしている。
鼻をこしょこしょやっても動じない。
しばらくしていると隣にお姉さんが。
同じようにアル君に触れると…
可愛げに首を振ってるじゃないかっ!(笑)
気持ちよさそうにしてるじゃん!
思わず笑ってしまった。
しとしと雨気分を和ませてもらいました。
★☆
気持ちは和んだものの
雨は強弱を繰り返しながら降り続き、
馬場も9Rからは重馬場に。
それでもお客さんは少しずつ増え、
ダービーの頃には
パドックも傘の華で溢れていました。
さ、ダービータイム。
今年の東京ダービーに駒を進めた
有力馬を見ていきましょう!
②プロミストリープ 御神本訓史騎手
JRAから転入初戦の桜花賞で
不良馬場をものともせず、一気の差し切り勝ち。
あまりの鮮やかさにゴール前で見ていた
浦和の競馬ファンのオジサマ達も
『なんだありゃ~!』と驚くほどでした(笑)
東京プリンセス賞では
グラヴィオーラに振り切られてしまったものの、
牡馬相手のダービーに果敢に挑戦。
後方一気の末脚は決まるでしょうか。
④モジアナフレイバー 繁田健一騎手
10月デビューの大井生え抜き。
重賞には登場せずも
特別戦を連勝しながらキャリアを積み、
無敗で挑んだ羽田盃は2番人気に推されるほどに。
4着と敗れたものの、
勝ちに行くレースで見せ場がありました。
パドックでじっと集中して歩く姿が目につきました。
⑤ヤマノファイト 本橋考太騎手
ホッカイドウ競馬で重賞を2勝し、
北海道2歳優駿でも5着。
南関東に来てからも重賞3連勝。
逃げの手に打って出た羽田盃を押し切って、
1冠を制していました。
今年の東京ダービー1番人気。
パドックではゆったり大人しく歩きます。
今日もそんな雰囲気でした。
⑥リコーワルサー 今野忠成騎手
7月デビューの大井生え抜き。
3戦目の鎌倉記念を7番人気で制し、存在感。
年明け初戦の京浜盃で敗れるも
人気を落とした羽田盃で先行策を取り、2着好走。
少し息を吹き返して挑む大一番でした。
そして6月6日、
このダービー当日が自身の誕生日!
枠まで6というおまけつき。
バースデーにダービー制覇なるか…。
⑧クロスケ 笹川翼騎手
去年の4月、
この世代、大井で最初の新馬戦の勝ち馬。
ここまで11戦を消化しながらも
一度も掲示板を外していない堅実派です。
この馬もパドックはおっとりしているのイメージ。
今日も集中して歩けていました。
⑭ハセノパイロ 矢野貴之騎手
船橋で8月デビューの生え抜き。
3連勝でハイセイコー記念を制して、
全日本2歳優駿でも3着と好走したことで
昨年のNARグランプリ最優秀2歳牡馬に選出。
外を回らされたニューイヤーカップ、
出遅れた京浜盃とやや悔しいレースが続きましたが、
羽田盃で立て直しながら最後に伸びて3着好走。
今日も2番人気に推されました。
いつも首を下に下げて、
非常におとなしく歩く姿が印象的。
「レース前に無駄なことは一切いたしません」
みたいな雰囲気を醸し出しています。
周回中、パドックの真ん中で馬を止めて、
少し馬装を直す場面がありましたが、
じっと大人しくしたまま対応できていて感心しました。
★☆
一頃よりは少し雨脚も弱まった?中、
ゲートが切られた東京ダービー。
最内枠のナムラバンザイ、
大外枠のユニバーサルライトが積極策、
そこに的場文男騎手騎乗のクリスタルシルバーも内へ。
この時、内にいた馬達が若干ブレーキを踏む形になり、
ラチ沿いにいたヤマノファイトが少し後退します。
ナムラの逃げをユニバーサルが追い、
その内にクリスタル、外にワグナーコーヴ。
3コーナーでリコーワルサーにハセノパイロが加わり、
4コーナーでは各馬が進出してきて
内外へ大きく広がる展開に。
内を抜けたクリスタルシルバー。
外から一気に前へ出るハセノパイロ。
リコーワルサーにモジアナフレイバーと各馬殺到。
内をさばきながらクロスケもいつの間にか圏内へ。
ハセノが抜ける・・・いや、クリスタルも粘る。
ゴール前の大接戦をわずかに
ハセノパイロが制したところがゴールでした。
★☆
ゴール前でレースを見ていました。
どんどん馬が来る白熱の展開。
一度は外のハセノとモジアナで決まった、と
外の2頭を見ていたのですが、
え、内から的場さん盛り返してきてるじゃないか!
これは熱い!
少しずつタイミングはズレるものの
聞こえてくるのは『的場!』と『文男!』の声ばかり。
…めちゃくちゃ興奮しました。
4コーナーからの
各馬の攻防に最後の叩き合い…
非常に見応えのある東京ダービーでした。
★☆
『よく走ってくれているよ。しょうがない』
次のレースもあるので
走りながら取材に応えてくださった 的場文男騎手 。
人気薄・クリスタルシルバーを2着へ導き、
これで東京ダービーは10回目の2着でした。
ゴール前の声援、届いていたでしょうか。
みんなが一瞬「わっ!的場さん来てるよ!」って
声が上がった瞬間があったんですよね。
馬券などとはまた違った
みんなが持っている気持ちが声になった瞬間が。
それにまたグッときてしまいました。
悔しいけれど、夢の続きはまた来年…。
★☆
勝ったハセノパイロ。
矢野貴之騎手は東京ダービー初制覇。
表彰式のインタビューでお話されていた
『こんなに気持ちのいい雨ってあるんだな、と思いました』
という言葉がカッコ良すぎましたね。
その後の囲みインタビュー。
『直線はほとんど覚えていなくて
何を話したらいいのかわからない…(笑顔)』
という矢野騎手でしたが、
積極的な早めの進出については
『少し早く動き過ぎでしたね。
最後は内からも外からも来て、
やっぱり早かったのか…と。
しのいでくれ、と思っていました』
と振り返っていました。
『ダービーということで
特別な緊張はなかったですけれど、
今夜は寝られないかもしれませんね』
実感はこの後、ジワジワト湧いてくるのかもしれません。
表彰式を終え、帰っていくハセノパイロ
いろいろコメントに聞き耳を立て終わると、
ちょうどハセノパイロが帰っていくところでした。
やっぱり首をグッと下げて、
大人しく歩くいつもの彼の姿がそこにありました。
次に陣営が見つめるのは、
7月のジャパンダートダービー。
同じく東京ダービーを制し、
ジャパンダートダービーで全国制覇を達成した
厩舎の先輩・ヒガシウィルウィンに続く事ができるでしょうか。
穏やかなハセノパイロもレースではササったりする。
だからまだ見せていない力もあるのではないか。
大一番での「厩舎力」も含めて、
ついそんな期待もしてしまうのです。
★☆
名古屋、大井と続けてきた
ひとりダービーの旅。
今日(7日)の兵庫ダービーは残念ながら
現地に行くことはできないのですが…
もう1つか2つは現地観戦出来たらな、
と思っています。
また素晴らしいレースや
馬達との出会いがありますように…!