ひとりダービーの旅 ~名古屋・東海ダービー編② いよいよダービー本番!~ | 小堺翔太オフィシャルブログ『ショウタパドック』Powered by Ameba

ひとりダービーの旅 ~名古屋・東海ダービー編② いよいよダービー本番!~

(前回の続き)

 

刻一刻と東海ダービーの時間が迫る中、

こんな再会もありました。

 

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サザンオールスター

 

去年の東海ダービー3着の後、

高知優駿で4着、

ジャパンダートダービーにも参戦(12着)した

サザンオールスター

ダービーを回りながら各競馬場で姿を見た彼と

久しぶりの“再会”となりました。

 

勝負所、大畑騎手のアクションに応え、

ジワリジワリと差をつめて、

最後は人気馬・トーホウシルエットを交わして1着!

 

ダービー前に「お恵み」もいただき…

勢いもついたのでした。

ありがとう。

 

★☆

 

ではここからは、

東海ダービーのお話。

有力馬をみていきましょう。

 

 ①ビップレイジング 藤原幹生騎手 

 

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新緑賞の勝ち馬・ビップレイジング

前走の新設重賞・ぎふ清流カップは

断然人気ながら5着に敗れてしまい、

ここは巻き返しを狙う一戦でした。

 

パドックではパシュファイアーをつけて、

周回を重ねるごとに少しエキサイトしているようにも…。

 

 ②サムライドライブ 丸野勝虎騎手 

 

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10戦10勝で重賞は7連勝中。

逃げる形で終いの上がりもまとめ後続を突き放す。

まさにワンサイドゲームを続けてきたサムライドライブ

 

パドックに登場した瞬間から

響くシャッター音がスゴイこと、スゴイこと…

注目度の高さがうかがえます。

そんな環境の中でも、

さらに目の前にはエキサイトするビップレイジングがいても、

全くリズムを崩すことなく真っすぐ歩いていた姿が

とにかく印象に残りました。

で、よく見ると顔も美人さんなんですね。

 

 ③ウォーターループ 友森翔太郎騎手 

 

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友森騎手とのコンビで

重賞2連勝中のウォーターループは、

ウォーターリーグの産駒。

 

産駒で現役馬はわずか12頭。

しかしながら去年はサンタンパがこのレースで2着と好走し、

今年もこうして産駒を送り出してきました。

父・母ともに「ウォーター」。

山岡オーナーゆかりの血統馬で東海ダービーに挑戦です。

 

 ④ドリームスイーブル 岡部誠騎手 

 

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重賞で2着が4回、

サムライドライブの2着も3回あるドリームスイーブル

シルバーコレクター返上なるか。

 

ダービーへ向けてしっかりと調教で乗り込み、

パドックを見ていても気配が目立つように感じました。

 

 ⑪キンショーウィーク 村上弘樹騎手 

 

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重賞初登場の駿蹄賞で4着も

東海に来てからは大崩れをしていなかった

キンショーウィーク

 

魅力はなんといっても先行力。

内のサムライドライブ相手にどうレースをするか、

この馬の動き次第では…という怖さもあった一頭。

それにしてもこの写真、いい顔してる(笑)

 

 

★☆

 

レース。

スタートを決めて先手をとるサムライドライブに

外からキンショーウィークとアイファーフォルテが迫り、

3頭が各々半馬身ずつくらいの差で先行体制。

直後に内で脚を溜めるウォーターループ。

ドリームスイーブルも差なく追走する形。

ビップレイジングは中団内で折り合います。

 

動きがあったのは3コーナー。

サムライドライブが後続を振り切りにかかり、

400の標識では3馬身くらいのリード。

直線に入ってもリードをキープしたまま。

振り切ったかに思えたその瞬間、

外に出していい脚を使うビップレイジングの姿が。

サムライドライブを勢いよく交わしたところがゴール。

 

サムライドライブは2着、

ジワジワと脚を使っていたウォーターループが3着でした。

 

★☆

 

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勝って戻ってきたビップレイジング

 

ゴール少し手前でレースを見ていたので、

ちょうどビップレイジングが迫り、

前を捕らえるところを目の前で見ました。

サムライが残るか、とも思えたので

思わず『来てるぞ!』と声が出てしまうほど。

最後の最後、驚くような素晴らしい末脚でした。

 

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ダービートレーナー 笹野博司調教師

 

そしてさらにビックリしたのは、

笹野調教師から伺ったこんな一言でした。

 

『ビップはもともとイレ込みのキツイ馬なんですが、

今日は意外と大人しくて、

それがどちらに出るかな、と思っていました』

 

個人的にパドックでは

結構入れ込んでいたようにも見えましたが、

あれは彼にとっては大人しい部類だったとは。

なんでも笠松のレースでは、

馬場に入るのを嫌がり、鞭でうながす事もあったそうです。

 

メンタル面はやや難があるものの

長所となるのは心肺機能の強さなのだそうです。

中間もダービーへ向けて

これで負けたらしょうがないというくらいに

ビシビシと仕上げたといいます。

それでも息が乱れず、バテない。

大一番に向けて長所が活きて、短所が出なかった。

最高の形で今日を迎えることが出来たということなんですね。

 

実はこの馬…

笹野調教師が牧場で見て、

シニスターミニスター産駒でダート向き。

少しあるうるささもが走る方に出れば、と

オーナーに買っていただいた馬なんだそうです。

デビュー戦・門別のレースは笹野調教師も観戦。

ただ結果は1着と約2秒近く離される大敗…。

『レースにならなかったですからね…』

ご自身も肝を冷やされたそうです。

それでも距離が伸びて良さを出すようになり、

徐々に成績も上向きに。

道営~笹野厩舎を経て、一度JRAへ移籍。

また戻ってきてからは重賞を制するまでに成長。

ついにダービーの栄冠まで手にすることに…

素敵なストーリーですね。


今後はジャパンダートダービーも視野に、

というお話もありました。

大金星をあげたビップレイジングの今後のレースぶり、

挑戦にも注目したいと思います。

 

★☆

 

敗れたサムライドライブ。

最終レースが終わった後、

角田輝也調教師がお話をしてくださいました。

 

『デキも良く来られましたし、

スタートもうまく行きました。

ただダービー(独特)のマークされている感じで

息の入らないレースになってしまいましたね』

 

前に行く馬である以上は仕方ないのですが、

と角田調教師もおっしゃっていましたが、

道中の厳しいマークの中で

馬自身もハミに乗ってしまうようなところもあり、

それが一番の敗因なのではないかというお話でした。

 

『馬は一生懸命に走ってくれました。

ここからどう前に進んでいけるか。

悔やむ前に、明日への道を歩んでいきたいと思います』

 

悔しい心境の中、

それでも敗戦を糧に

サムライドライブをもっと強くしていきたい、

という角田調教師の意志が

強く感じられる言葉でした。

 

 

★☆

 

一頭強い馬がいて、

その馬が強いレースをする、

これも競馬の素晴らしい醍醐味です。

ただ一方でライバルがいて、

強い馬を負かそう、とする。

それが形になって実を結ぶ結果もまた、

見る私達を魅了する瞬間のように思います。

今年の東海ダービーには、

そんな熱い瞬間を見る事ができました。

ダービーってやはり…燃えますね。

 

さて今日(6日)は

大井競馬場東京ダービーです。

東海ダービーとはまた違った

「強いと思しき馬が沢山いる混戦ムード」の一戦。

ここに雨も少なからず影響しそう。

さて…どんなレースになるか、とても楽しみです。