セレクトセール2017、2日目。 | 小堺翔太オフィシャルブログ『ショウタパドック』Powered by Ameba

セレクトセール2017、2日目。

セレクトセール2日目は、

朝8時からの当歳馬展示からスタート。

毎年、この時間がとても楽しみで…。

母になった「あの馬」との再会、

そして当歳馬達に本当に癒されます。

 

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セリ会場に向かう馬たちを見送る頃には

「いい馬主さんに出会うんだよ・・・」

とどこか親心にも似た感情も。

 

しかし、

さっきまで間近で見ていた仔たちに

物凄い値段がついたりして

あっという間に「届かぬ存在」になったりするのです(笑)

今年もそんな馬たちが沢山いました。

 

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307・ラスティングソングの2017

(父ロードカナロア・牡)

 

セリ開始からすぐに億を超える馬が登場。

(株)KTレーシングに1億円で落札されました。

ロードカナロア産駒は

このセールで2頭目の1億越えとなり、

やはり評価の高さがうかがえます。

祖母のハルーワソングから、

マーティンボロ、フレールジャック。

ヴィルシーナやヴィブロス、

シュヴァルグランにもつながる

活躍馬がたくさんいる血統も魅力です。

 

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319・コンドコマンドの2017

(父ディープインパクト・牡)

 

母コンドコマンドは

北米のGⅠを圧勝の経歴の持ち主です。

こちらも(株)KTレーシングが

1億7000万円で落札しました。

続けての億越え落札に

国持レーシングマネージャーも

『またホッとしました…(略)

ディープの仔を一頭はと思っていました。

馬がしなやかで雰囲気がありました』

とお話しされていました。

 

億越えの落札も目立つKTレーシングでしたが、

比較的低価格帯の馬も幅広く購入。

数年後には活躍馬多数、

という事もあるかもしれません。

 

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323・サンデースマイルⅡの2017

(父ルーラーシップ・牡)

 

兄弟には重賞戦線で活躍し、

ファンも多い馬・フルーキーがいる血統です。

6400万円でホシノレーシングに落札されました。

 

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327・チェリーコレクトの2017

(父ハーツクライ・牡)

 

1億1500万円で

『もともとハーツクライが好き』

という落合幸弘オーナーが落札されました。

『一番欲しかった馬、落札できて良かったです。

1億円以上は覚悟していました。。

トモの筋肉が魅力的で将来性もありそう。

楽しみです』とオーナー。

好きだった馬の産駒を持つ…

競馬ファンだったら誰もが夢を見るところですよね。

 

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333・ドナブリーニの2017

(父ディープインパクト・牝)

 

ドナウブルーやジェンティルドンナの

全妹という超良血馬は

(株)DMM.comに

3億7000万円で落札されました。

このセールで大きな話題を呼んだ

DMMのクラブ法人設立。

『DMMバヌーシー』というアプリを通じて、

ファンの皆さんとの感動の共有体験をする事を目指す

という壮大なお話が発表されました。

 

お話しを伺っていると

具体的な話も出てきつつ、

これから発表になることも沢山ありそう。

楽しみに待ちたいと思います。

 

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347・レディスキッパーの2017

(父ジャスタウェイ・牡)

 

今年のクイーンCを制したアドマイヤミヤビの弟。

曾祖母にはウインドインハーヘアがおり、

ディープインパクトにもつながる血統馬。

(株)ラ・メールに1億4000万円で落札されました。

写真に撮られる時の立ち振る舞いが

なかなか品のある感じがする馬でした。

 

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349・ケイティローレルの2017

(父アドマイヤマックス・牡)

 

先日の帝王賞を制した

ケイティブレイブの全弟という

なかなかタイムリーな血統馬。

(有)コスモヴューファームが2100万円で落札。

 

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356・パレスルーマーの2017

(父オルフェーヴル・牡)

 

兄にはベルモントSの勝ち馬・パレスマリスがいる良血。

1億500万円で「バローズ」の

猪熊広次オーナーが落札しました。

カメラ目線をくれた彼ですが、

目つきの奥に「オルフェらしさ」が感じられます…(笑)

 

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362・イルーシヴウェーヴの2017

(父ディープインパクト・牡)

 

このセールの話題の中心はやはりこの馬でしょう。

1億円でスタートしたセリ、

みるみるうちに値段が上がっていきます。

2億4000万円から一気に3億円に上がった瞬間には、

会場内からどよめきともため息ともとれる声が。

それでも止まらぬセリ。

最後は里見オーナーと近藤オーナーが競り合い、

最終的には5億8000万円。

セレクトセール歴代2位というとてつもない価格で

「アドマイヤ」の近藤利一オーナーが落札しました。

 

『オーラがあって、

下見に行った時から

どんな事があっても欲しいと思っていました』

 

『皆さんに気に入ってもらってスターになってくれれば。

ダービーとか凱旋門賞とか大きな事は考えていません。

今はとにかく無事にいってほしいという気持ちです』

と近藤オーナー。

 

オーナーとともに下見をし、

この馬を管理する事になる

栗東・友道康夫調教師

『血統もスゴイですし、

下見で見たところ動きや体の雰囲気が 

一頭飛び抜けていました。

頭も賢そうだし、ジョッキーも乗りやすいと思います』

さらに2400mはバッチリなのではないか、

というお話も。

 

見ているこちらもセリの最中は息をのみましたし、

落札の瞬間はなぜかドッと来るものが(苦笑)

どんなデビューを迎えるか、

先に見つめる夢は…

どうしても期待をしてしまいますが、

オーナーの「まずは無事に」という言葉が

やはりすべてなのではないか、と。

 

オーナー、調教師が惚れ込んだ馬体を

ぜひ競馬場で見たいもの。

新馬戦での再会を楽しみにしたいと思います。

 

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375・シスタリーラヴの2017

(父ディープインパクト・牡)

 

1億円で(株)ダノックスが落札。

高額馬というとノーザンファームや

社台ファームが多い中、

それ以外の牧場からも

億を超える高額取引馬が出ました。

 

この馬は新ひだか・矢野牧場の生産馬。

大正2年創業という歴史のある牧場。

アローキャリーやショウナンマイティを生産し、

最近ではプラチナヴォイスが

3歳クラシック路線に乗りました。

 

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383・シュガーハートの2017

(父ブラックタイド・牡)

 

キタサンブラックの全弟ということで

セールでも注目を集めていた馬。

(株)DMM.comが1億4500万円で落札。

こちらはキタサンブラックをはじめ、

コパノリッキー、コパノリチャード、

サイモンロードなどを生産された

日高の名門・ヤナガワ牧場の生産馬です。

 

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415.スカイディーバの2017

(父ディープインパクト・牡)

 

このセール最後のディープ産駒は、

里見治オーナーが1億9500万円で落札しました。

『顔のきれいな馬が好きなんです。

この仔は流星がまっすぐですごくキレイ。

そんなところも気に入りました』

とオーナーがおっしゃるとおり、

顔立ちの整った馬なのですが、

実は写真撮影の時にすぐに姿を決めて、

おそらくこのセールで一番といっても過言ではないほど

すんなりと撮影が済んだのが彼でした。

カメラマンさんから「なんて、いい仔!」と

思わず声があがるほど。

もしかすると、

すでにスター性を持ち合わせた馬なのかもしれません。

 

 

高額だった馬を中心に

印象に残ったことをつづってみました。

 

来るたびに驚きのあるセレクトセールですが、

今年は新規オーナーの参入&高額馬落札。

さらに5億を超える馬の出現など、

正直見ていて「お腹いっぱい」になる感覚…

とにかく話題に富んだセールになりました。

 

最終的には

「驚愕の数字」といわれた

去年の149億円を大きく上回る

173億2700万円を売り上げ、

新記録を更新。

吉田照哉・日本競走馬協会会長代行も総括で

『去年の数字が驚異的だったので

去年くらい行けばいいなと思っていましたが、

びっくりしました』

『新規のオーナーの方も沢山参戦し

4000万や5000万という値で落札してくれる。

すべての相乗効果という他はないですね』

と振り返っておられました。

 

世界的なトップホースの仔が

どんどん登場するのもこのセールの特徴。

繁殖にお金をかけ、

いい馬を集める事に力を入れている、

というグループの努力が実を結んだ結果でも

あるような気がします。

 

来年以降は

どのようなセリになっていくのか・・・

実は去年の最後にもそんな言葉が

いろんな方から聞かれましたが(笑)

楽しみと驚きの準備をもって、

また見に来られればと思います。

 

そして今回あった馬達の中との

再会を楽しみにしたいです。

 

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