ジャパンカップ その② その強さと儚さと | 小堺翔太オフィシャルブログ『ショウタパドック』Powered by Ameba

ジャパンカップ その② その強さと儚さと

(その①の続き)


本馬場入場を見ながら、

あわてて馬券を買いました。

週中に日刊スポーツにも

書かせていただいたとおり

◎はデニムアンドルビーから。


単勝と馬単マルチ。

エピファネイアへ厚めに。



…あとは、大歓声に身を置いて。

ゴールまで心の中で声援を送りました。



直線を向いて、

逃げていたタマモベストプレイと

外のアンコイルドの間を抜けた

エピファネイアの手ごたえを見た所で

もうすでに鳥肌がゾゾッと…。


突き放す一方の

エピファネイアを見て、

ビックリしたといったら失礼なのだけど、

本当に想像を超えた勝ちっぷりに

ただただ、感激させてもらいました。



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角居厩舎の馬服を着て、

レイを見につけたエピファネイア。


奇しくもお母さんのシーザリオが

オークスを勝った時と同じ黒い帽子の4番。

世界を制した母の一番の孝行息子が、

9年の時を経て、再び府中で輝いたのでした。



僕が初めて

競馬場で生観戦したクラシックは、

シーザリオが勝ったオークス。

人ごみに揉まれながら、

パドックで見たシーザリオの姿が

あまりにもキレイなのにビックリして、

となりにいたオジサンと馬券を抜きに

『シーザリオがキレイ!』

という話をし続けました。


大外を差してきたシーザリオの

力強い走りと福永騎手の笑顔のガッツポーズ。

初めてのクラシック観戦にして、

素晴らしいものを見させてもらったなと、

昨日の事のように覚えている、いい思い出です。



今回、エピファネイアの

最終追い切りにも騎乗した福永騎手は、

今回へのバトンを渡し、

自身はジャスタウェイの手綱を取りました。


引き揚げて来たときに、

チラリとエピファネイアの方を見、

ジャスタウェイから降りて労をねぎらった後、

喜びに沸く関係者の皆さんに

「おめでとうございます」

と、声をかけてから検量室に入りました。


取材陣の前に出て来られた

福永騎手の第一声は、

『一頭、強い馬がいました』でした。

エピファネイアの強さを認めつつ、

ジャスタウェイの2着が

決して悲観する内容でない事を伝えます。

最後は『以上です!』と笑顔で。

周りの記者の皆さんも一緒に笑いました。

気持ちは想像するしかないのですが、

悔しさも全部飲み込んだ笑顔なのだと思います。


勝負の世界の厳しさ、儚さを感じました。

いろんな声があると思います。

いろんな事を言いたがる人がいるでしょう。

でも、今回のジャパンカップを語る上で

このシーンも決して忘れずに

心に刻んでおきたいと思いました。

福永騎手のファンの一人として。



長くなりますね…

エピファネイアについて。

また項を改めて書かせてください。