お疲れ様です。

赤間翔太です。


いやーまたまた時間が空いてしまいましたね。

本当にブログ書くのは大好きなんですが、大体長文になってしまうのと黒歴史を開きながらこのブログ自身が黒歴史になってしまうというジレンマと戦いながら、

でも冨樫さんも連載再開に向けて頑張っているのに僕が執筆活動⁇を止めてはいけないという謎の使命感に火がついてブログを書こうと思いました。


今回は今までよりさらに長い長編なので暇なときにゆっくり読んでもらえたらと思います。



あ、これはフィクションです。



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「この街も変わっちゃったな」


バブルの頃に建てられた複合ビルも昨年閉店し放置状態で立ち入り禁止の看板が立てられている。

それと相反するように小綺麗になった駅前の広場を見て僕はついつい

ハンバーグ師匠の下位互換みたいなセリフをボソっと呟いてしまった。


プップー


そんな感傷に浸っている僕を現実に引き戻すようにクラクションが2回鳴った。


10年ぶりくらいか?」


そう話しかけてきたのは高校時代ほとんど一緒にいた親友の佐伯だ。

北海道にふさわしい大きいワンボックスカーの助手席に乗って後ろをふと見ると

ベビーカーが二つ置いてあった。

佐伯の左手には昔鬱陶しさを感じるくらいジャラジャラ付けていてシルバーアクセサリーではなく、ダイヤモンドがアクセントになっているエンゲージリングが薬指に付いていた。


「高校時代から変わってねえな」


懐かしげに言う佐伯の頭は少しハゲていた。



いや、ハゲ散らかっていた。



「俺なんてみてみろよこれ」


そう言って頭皮を指差して自虐的に笑いを誘ってきたが、笑えないくらいハゲ散らかっていた。


ベジータとピッチャーマウンドがフュージョンしたのかと言うくらい、前も後ろも焼け野原だった。



「今回来たのは自分探しでさ」

僕は必死に話題を逸らした。このままハゲトーーークを繰り広げられたらたまったもんじゃない10年ぶりに会う友達はおっさんになってしまったんだ。


29歳の誕生日に僕は流行している病気にかかってしまい高熱でうなされながら


あ、このまま死んだらどうしようという思春期にあるような孤独に苛まれていた。


エヴァのミサトさんと同い年になってもまだシンジくんが憧れる大人になれてないなそんな事を思ってる自分もまだまだマインドは厨二だなって俯瞰で思ってる自分もまだまだ子供だな

みたいな無限ループをしてしまいそうなくらいにまだまだ自分は大人になれない子供だった。


「高校卒業してもう10年以上なんだぜ」


相変わらず佐伯は禿げネタに持ってこようとしてる。

中年の自虐ほど悲しいものもない。


ただ僕はそれに応えれる体力もなく精神状態も相当参っていた。




MOROHAが最近心に刺さってさ。」


僕は必死に話題を逸らした。

本音を言うと佐伯は5人目の声をかけた人でマジで誰でもよかったんだ。

ただ当時の僕を知っているプラス車を持ってる人を数珠繋ぎで聞いて行ったら行き着いたのが佐伯だったから、ハゲ散らかした友達の身の上話は本当にどうでも良かったんだけど、MOROHAという言葉を出した時。

高校時代にMOROHAの事を教えてくれたのは佐伯だったなと思って佐伯のハゲネタにも乗っかってあげようと思った。



「あーごめんそんなにハゲてないよ」


脈略がめちゃくちゃだったけど僕は佐伯に悪いことしたなと思って、必死にフォローした。




MOROHAさんに謝れ」


まさかの返答だった。

別に僕はアフロさんの事をハゲとか1ミリも言ってないし、アフロって名前なのになんで坊主なのって事すら1ミリも疑問に思っていなかったのに、アフロさんくらいの漆黒の目玉でこちらの事を凝視された時。

僕の奥底に眠っていたトラウマの扉が1つ開いた。


次回、

〜知らないおばあちゃんに雪山で

首を絞められた小学6年生編〜につづく