正月気分など消えた。
いや、はじめから無かったのかもしれないと思いながらまた来年になるのだろう。
鬼もニヤリと笑うようなことを考えながら早くも腐った日常に戻っている。
今年の抱負は生きていることだ、と現実的な目標を掲げているにも関わらず、早くも運動や食事にも気を遣っていない。今のうちに会いたい人ややりたいことをやっておこうとも思っているが、「面倒くさいが勝つ」程度の想いなら封印してしまおう、と大変に積極的な消極姿勢で過ごしている。
僕は母親から相続した家で過ごしているが無頓着で手入れも怠り、家を空けることも多い。
外でも中でもふらふらと過ごしている中で、突然役場から電話があった。
「貴殿の家の水の使用量が馬鹿の様になってけつかる」との内容で、勿論身に覚えがないことを伝えるが、止水栓を閉めればメーターが止まるので、何かしらの不具合があるかどこか緩んでいるのだろう、とのこと。
それでもまぁいいや、と思っていたが、「使用量は先月の281倍です」との請求を見て驚いた。
それがどのくらいなのかはよくわからないが、1000円が281000円になると思えば大穴だ。
親父に聞くと、冬場に水道管が凍るなどして割れて高額請求されるのは百姓の世界では「あるある」らしい。
実は少しあったかもしれない正月気分は塵と吹き飛び、また一所懸命働かねばならぬなあと僅かな決意を握りしめるのであった。