東京の寄席は上席(1~10日)・中席(11~20日)・下席(21~30日)、31日がある月は余一会といって、基本的には月に3回番組(顔付け)が変わります。

 
大阪も戦前はそうだったみたいですが、現代は一週間単位で入れ替わります。
 
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2月の3週目は天満天神繁昌亭、4週目は神戸新開地喜楽館と二週連続で寄席の出番をいただきました。
 
新世界にある桂ざこば師匠が席亭の動楽亭にも出演させていただきました。
 
ありがたいことです。
 
そうやって毎日寄席に出ていると、いろんなものが”日替わりだったりそうでなかったり”しておもしろいです。
 
お客さんの人数も平均年齢も雰囲気も毎日違います。
 
演者の体調も違います。
 
打ち上げでお酒を大量に飲んだ翌日なぞは、声と顔が疲れている噺家がよくいます。
 
僕たちは決められた出番順と持ち時間で高座を勤めます。
 
その中で個々が”どのネタ”をするか選ぶのですが、それが時折、困難な場合があります。
 
当然、先に出たネタはできません。
 
違うテイストのもので、その日のお客様の雰囲気と自分の状態に合ったネタを選ばないといけません。
 
選んだネタがピッタリ、お客様とフィットすれば嬉しいです。
 
その為に僕たち落語家は、常に多くのネタが喋れる状態になっている必要があります。
 
人によっては一週間同じネタをする人がいますが、それは自由なので別にいいと思います。
 
でも僕はネタ選びも一つの楽しみです。
 
いや、楽しみたいです。
 
前の出番の人のネタとお客さんの反応を見て、自分のするネタを決める。
 
これが自分の出番が近くなってきても、なかなか決まらない時があるのです。
 
そういう時は仕方ないのでそのまま上がり、自己紹介的なマクラを喋りながらお客様の反応を見て決めています。
 
まだ決断したくない時もあるのですが、早くしないと持ち時間がどんどん減っていくので強引に決めてしまいます。
 
先輩や仲間がどのようなマクラから、どんなネタに入るのかを舞台袖や楽屋で聞くのが好きです。
 
とても勉強になります。
 
落語は本ネタに入ってしまえばあとはだいたい同じストーリーです。(もちろん個性はあります)
 
マクラからネタに入るまでの各噺家、独特の空気感が好きなのです。
 
そこにオリジナリティやアイデンティティを感じたいです。
 
お客様愛や落語愛を感じたいです。
 
そして本編でもオリジナリティを出したいものです。