25-1. 取締役の利益相反(会社法356条・365条)
■取締役が、以下の取引をするときは、会社の承認を得なければならない。
直接取引(自己もしくは第三者のために会社と取引をする)
間接取引(会社が取締役の債務を保証する、取締役以外の者との間で会社と利益が相反する取引をする)
■①承認機関 ②承諾証明書 ③押印と印鑑証明書
取締役会「非設置会社」
①株主総会
②株主総会議事録
③議事録作成者が代表取締役=会社実印、会社印鑑証明書
or 議事録作成者が取締役=取締役個人実印、個人印鑑証明書
取締役会「設置会社」
①取締役会
②取締役会議事録
③代表取締役=会社実印、会社印鑑証明書
and その他の出席取締役・出席監査役=個人実印、個人印鑑証明書
持分会社
①他の社員の過半数の承認
②過半数の一致があったことを証する書面
③出席社員全員=個人実印、個人印鑑証明書
- 1項 取締役 は、次に掲げる場合には、株主総会 において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
- 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社 の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
- 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。
- 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引 をしようとするとき。
2項 民法第108条 の規定は、前項の承認を受けた同項第二号の取引については、適用しない。
※会社法365条※ (競業及び取締役会設置会社 との取引等の制限)
1項 取締役会設置会社における第356条 の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。
2項 取締役会設置会社においては、第356条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。
25-2. 直接取引(例:売買)の利益相反の判断
売主・買主のそれぞれの会社につき承諾書が必要か判断する。
① 判断したい会社をピックアップする。
② ①の会社と直接取引をしている者(意思表示をなしている者)を特定する。
(相手が法人なら代表者を特定)
③ ②で特定した者が①の会社の取締役にいる。
以上に該当すれば利益相反にあたる。
25-3. 間接取引(例:担保権の設定)の利益相反の判断
①設定者が会社である。
②債務者が、
イ)個人で、①の会社の取締役である。
ロ)会社で、その代表取締役が①の会社の取締役にいる。
以上に該当すれば利益相反にあたる。
25-4. 注意点
※判断の際、会社の代表取締役が複数いる場合は、代表行為をなした代表取締役で判断する。
※担保権の債務者変更
抵当権→債務を引きうけることが「負」と考えて判断する。
根抵当権→あらたな根抵当権を設定する「負」と考えて判断する。