28-1. 事前通知制度とは
登記識別情報を提供すべき登記の申請において、登記識別情報を提供することができない正当な理由があるとき、不登法23条1項の規定により、登記義務者に対して、通知を行い、登記官が登記義務者の真実性を確認する制度。
「申請があった旨および当該申請の内容が真実であると考えるときは、法務省令で定める一定期間(原則2週間)内に、その旨を申出すべき旨」を通知する。
ただし、資格者代理人による本人確認、公証人等による認証が行われた場合は通知は不要。
※不登法23条※(事前通知等)
1項 登記官は、申請人が前条 に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。
2項 登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。
3項 前二項の規定は、登記官が第二十五条 (第十号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。
4項 第一項の規定は、同項に規定する場合において、次の各号のいずれかに掲げるときは、適用しない。
1号 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。
2号 当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条
の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。
28-2. 事前通知書の送付
①通知方法(不登規70条1項)
申請の方式に関わらす、必ず書面で通知を行う。
②送付先・送付方法(不登規70条1項)
自然人、法人の代表者住所への通知→本人限定受取郵便等
法人の主たる事務所への通知→書留郵便等
③再発送(不登準則45条)
事前通知書受取人不明を理由に返送された場合において、不登規70条8項(原則として2週間)の満了前に申請人から事前通知書の再発送の申出があった場合は、その申出に応じて差し支えない。
28-3. 通知に対する申出
①申出の方法(不登規70条5項)
書面申請→書面による申出(申請書または委任状に押印した印鑑と同一の印鑑を押印する)
電子申請→電子申請による申出(電子署名を行う)
②申出期間(不登規70条8項)
原則→発送した日から2週間内
登記義務者が海外在住→発送した日から4週間内
③申出があった場合
受付は、申出があった時点でなく、当初の申請があった時点でなされたことになる。
※不登規70条※(事前通知)
1項 法第23条第1項 の通知は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により書面を送付してするものとする。
- 一 法第22条 に規定する登記義務者が自然人である場合又は当該登記義務者が法人である場合において当該登記義務者である法人の代表者の住所にあてて書面を送付するとき 郵便事業株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名あて人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法
- 二 法第22条 に規定する登記義務者が法人である場合(前号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの
- 三 法第22条 に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法
2項・3項・4項省略
5項 法第23条第1項 に規定する申出は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によりしなければならない。
- 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、法第22条 に規定する登記義務者が、第一項の書面の内容を通知番号等を用いて特定し、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行った上、登記所に送信する方法
- 二 書面申請 法第22条 に規定する登記義務者が、第一項の書面に通知に係る申請の内容が真実である旨を記載し、これに記名し、申請書又は委任状に押印したものと同一の印を用いて当該書面に押印した上、登記所に提出する方法(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出した場合にあっては、法第22条 に規定する登記義務者が、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行い、これを記録した磁気ディスクを第一項の書面と併せて登記所に提出する方法)
6項・7項省略
8項 法第23条第1項 の法務省令で定める期間は、通知を発送した日から二週間とする。ただし、法第22条 に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合には、四週間とする。
28-4. 前住所に対する通知
事前通知に加え、以下の場合は、登記名義人の「過去の登記記録上の住所
」にも当該申請があった旨の通知を(前住所通知)を行わなければならない。
(不登法23条2項)
①当該登記が「所有権」に関するものである。
②3カ月以内に登記義務者の住所について変更・更正の登記がされている。
ただし、以下の場合は不要である。(不登規71条2項)
①住所変更の登記原因が行政区画・地番変更等である場合(1号)
②変更登記の受付日から3カ月が経過している場合(2号)
③登記義務者が法人である場合(3号)
④資格者代理人の本人確認で申請人が登記義務であることが確実であると認められる場合(4号)
※不登規71条※(前の住所地への通知)
1項 法第23条第2項 の通知は、転送を要しない郵便物として書面を送付する方法又はこれに準ずる方法により送付するものとする。
2項 法第23条第2項 の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
- 一 法第23条第2項 の登記義務者の住所についての変更の登記(更正の登記を含む。以下この項において同じ。)の登記原因が、行政区画若しくはその名称又は字若しくはその名称についての変更又は錯誤若しくは遺漏である場合
- 二 法第23条第2項 の登記の申請の日が、同項 の登記義務者の住所についてされた最後の変更の登記の申請に係る受付の日から三月を経過している場合
- 三 法第23条第2項 の登記義務者が法人である場合
- 四 前三号に掲げる場合のほか、次条第一項に規定する本人確認情報の提供があった場合において、当該本人確認情報の内容により申請人が登記義務者であることが確実であると認められる場合