35-1. 共同申請の原則の意義
共同申請の原則とは、不動産登記において、その登記によって直接利益を受ける者(登記権利者)と、直接不利益を受ける者(登記義務者)とが、共同して登記の申請をすべきものとする原則のことである。(不登法60条)
35-2. 共同申請の原則の趣旨
①登記官は形式的審査権のみで実質的審査権を有しないため、直接不利益を受ける登記義務者を申請に関与させることにより、虚偽の登記がなされるのを防止する。
②登記義務者は、既に登記記録に表示されている登記名義人であるので、登記義務者を申請に関与させることにより、登記の形式的連続性が確保される。
35-3. 共同申請の例外
①単独申請(登記権利者・登記義務者という構造が存在しないもの)
→二当事者の対立概念がなく、登記義務者が存在しない場合、登記権利者は「登記申請人」として、単独で権利に関する登記を申請できる。 こちら→
②単独申請(登記権利者又は登記義務者の意思を擬制するもの)
→登記権利者又は登記義務者の登記申請意思を、何らかの方法で擬制できる場合、一方のみからの申請により、事実上の単独申請が可能である。 こちら→
③単独申請(仮登記の特則)
→仮登記については、共同申請の原則は大幅に緩和されている。こちら→
④合同申請((関係する登記名義人が共同して申請を行うもの)→登記権利者と登記義務者の厳然たる区別が存在せず、関係する登記名義人が共同して申請するもの こちら→
⑤共同申請(同一人が登記権利者兼登記義務者となる)
→登記権利者と登記義務者が同一人である場合 こちら→
※不登法60条※(共同申請)
権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
※不登法2条※(定義)
12項 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。
13項 登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。