ブログ訪問、ありがとうございます。
士業・法務担当者のための登記パートナー 司法書士・行政書士の大越です。
カルピスと乳酸菌つながりですが、今度はヤクルトです。
ヤクルトも、往年の飲み物ですよね!誰しもが一度は通る道ではないでしょうか(#^.^#)
うちの家も、一時期、親がヤクルトおばさんをやっていた関係で、ヤクルトが常に家にあり、毎日飲んでいました!
大人になってから飲む機会は大分減りましたが、たまに飲むと、腸が良くなったような気がします。プラシーボ的な感じで(^_^;)
そのヤクルトのニュース。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120514-00018450-diamond-bus_all
うちでも娘がヘビーユーズしている「ベビーダノン」の会社のダノンが、ヤクルト株式の買い増しを行おうとしているようです。
といっても、合併や突然の敵対的買収という話ではなく、いわゆる身内をまきこんだ離反・造反騒動のようです。
ダノンは、元々ヤクルトの筆頭株主です。ヤクルトは上場会社なので、もちろん過半数の議決権などは有していませんが、20パーセントを保有しており、かなりの議決権を有しています。
上場会社で、これだけの株式数を有している株主に反対をされたら、本来は通るであろう議案も通らなくなる可能性が高いというレベルです(拒否権までは有していませんが。)。
そのダノンが、ヤクルトに対し、議決権28%の保有+常勤役員の派遣を求めているようです。
ダノンからすれば、ヤクルトの販売網はかなり魅力のようで(約10年ヤクルトの筆頭株主をしているわけですから、実態も見たうえでの現実的な話でしょう。)、発言力を強化したいのでしょうね。
今までは、出資比率を引き上げない契約をヤクルト・ダノン間で締結していたようですが、この効力が今年の5月15日できれるので、ダノン側はチャンスと見ているようです。
本来であれば、ヤクルトは業績も好調ですし、ダノンがTOBをするにしても高額な資金が必要になるので、ヤクルト側は強気に出てもいいかもしれません。
ですが、ヤクルトのアキレス腱は、販売会社が一枚岩でないこと。
会社というよりは、いくつかの販売会社の集合体らしいです。そうすると、本社に対してかなり発言力を持っている販売会社もいるでしょうね。
これがダノンと結託すれば、悪くすれば社長解任!みたいな事態もあるかもしれません。
ヤクルトとしては、多少ダノンの出資比率を上げることを容認し、常勤役員を1名くらい入れた上で、出資の引き上げをしないという契約を再度締結するところが落とし所として望ましいでしょう。ダノンがどこまで強硬になるかにもよるとは思いますが。
この手の株主間のもめ事というのは、上場会社だけでなく、身近な中小企業にも起こり得ます。
取引先同士で株式の持ち合いをしていたところ、片方の取引先が倒産して、財産として自社の株式が第三者に転売される又は管財人から高額の買取請求を受けるということもあり得ます。
また、仲の良い友人同士で対等出資で会社を興したところ、ケンカ別れすることになったが、嫌がらせで株式を売ってもらえないということもあるでしょう。
オーナー社長が株式をすべて所有していたのに、遺言を作成せずに死亡したため、相続人である子供達同士で揉めてしまい、何も決議ができないなんて事態もあります。
中小企業でも株式に関するトラブルは起こり得ますので、トラブルになる前に、自社は大丈夫かどうか、一度見つめ直し、司法書士等の企業法務の専門家(いつも通り私に(^_^;))に相談されることをお勧めします!