ベルばらをめぐる諸相 | 小生の掲示板2

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アイドル(坂道シリーズ)を中心に趣味について書いています。
ブログなのに掲示板なのはTeaCupの掲示板から移動したから ヾ(^^:;)...


今週のエンタメニュースで
 
  劇場アニメ「ベルサイユのばら」 25年春公開!

というのがあった。

予告映像を見たら

オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
 
 


う~む、絵にかいたような絵だな c(^、^ )ヾ(--:;)...


つまり、池田理代子のコミックの絵をキャプチャして
動画にした映像・・・

この予告映像は、小生にはそう見えた ヾ(^^:;)...


しかし、こうしてアニメを見ると、銀河英雄伝説は
本当に影響を受けてるな~と今更ながら思う。

ゴールデンバウム王朝から帝位を受け継いで
ラインハルト1世(カイザー・ラインハルト)となって
以降のキャラクターデザインなど、
こりゃ、オスカルそのものではないか c(^.^;) TARA~

 



まあ、仕方ない。

銀河帝国の皇帝の居城は「ノイエ・サンスーシ」と
いうが、元ネタのサンスーシ宮殿はプロイセンの
フリードリヒ2世のフランス趣味の産物だ。

そもそもサンスーシ(Sans Souci)は、ドイツ語でなく
フランス語(英語なら Without Concern)であり、宮殿
はともかく、庭園は完全にベルサイユ形式に倣って
いる。


フリードリヒ2世(大王)が、周囲の進言を受け入れて
もっと壮大な宮殿を構築していたら、
 「ベルサイユ宮殿の公式ライバル」に
                なっただだろうに ヾ(^^:;)...

銀英伝も然り。



公式ライバルと言えば、劇場アニメ公開のニュースを
取り上げた芸スポ+のスレッドには、


  3恐縮です 2024/07/02(火) 10:39:02.34

  (o゜∀゜)<よるのくらさをきりさくために~
          ぎんのとぅるぎをふるうのだ~

と言う書きこみ。

さすが、ねら~は分ってらっしゃる c(^、^ )ヾ(--:;)...


ベルばらの流行を受けて、当然アニメ化が企画された
が、創映社(後の日本サンライズ)には池田理代子の
原作を買う予算がなかったので、同じ時代背景で
同じく女性ながら剣の達人を主人公に
           したアニメをでっち上げた ヾ(^^:;)...


何せ、主人公はマリー・アントワネットの妹という設定
(さすがに母親はマリア・テレジアでなく、異母姉妹)。

それが「ラ・セーヌの星」(75年)だ。


上記はその主題歌「とぅるぎ」(剣)となっているのは、
主題歌をフランス人が歌っていたため。


音楽は菊池俊輔。

堀江美都子が歌った挿入歌「剣士のシャシャシャ」
サビの部分

  味方は黒いチューリップ~

のメロディが仮面ライダーV3の主題歌の

  力と技の風車が回る

にそっくりで笑える
  ↓
 https://www.youtube.com/watch?v=gxNJntfZsLQ


ベルばらのテレビアニメ化は4年後の79年。
製作は、「大手」の東京ムービーだった ヾ(^^:;)...


このアニメ版は、今日まで名作の誉れ高く、上記の
スレッドにも

 454 恐縮です 2024/07/02(火) 17:51:26.97

 (oΘ_Θ)<旧作が神作なんだから、凡人が下手くそ
        なリメイクなんかしてないで、素直に
        4Kコンバートくらいにしとけばいいのに

        ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチの
        絵画の修復をそのへんの人がやったって
        台無しになるのと同じだよ


という意見があった。

う~む、小生は

   いわゆる「ハゲ同」とは参らない c(^、^ )ヾ(--:;)...


出崎統による19話以降、当時のテレビアニメのレベル
を遥かに凌駕する作画で、見事にアニメ化して見せた
のは確かだ。

ただし問題は、1話~13話である。

その期間の監督は、巨人の星やボルテスVの長浜忠夫。

アニメ開始時に長浜は

 私が作ってきた巨大ロボットアニメの世界からロボット
 を除いたのが、ベルばらの世界

と意気込んでいた。

が、始ってみると、星飛雄馬が
 
 俺は投げる、この腕が折れ曲るまで、この腕が折れ
 曲るまで

と二度繰り返すのと同じ調子で

 オスカル、俺もお前のために命をかけよう、お前の
 ために命をかけよう

とやったり、ベルサイユ宮殿の向うに、巨大なマリー・
アントワネットとデュ・バリー夫人が現れたり(花形と
左門が後楽園球場の向うに現れた演出と同じ)・・・


ベルばらファンに嫌われたのだろう
   13話で長浜はお役御免となった c(^、^ )ヾ(--:;)...

ゆえに、1~19話のリメイクはあってもいいと思う。

「21世紀の出崎統」がいれば、の話だが ヾ(^^:;)...


もっとも、出崎演出の部分でも問題点がないわけ
ではない。

小生のことだから、音楽についてだ。


70年代後半、宝塚のミュージカル(74年初演)人気
も手伝ってベルばら人気が盛り上がっていた頃、
レコード藝術でなく、音楽の友だったかと思うが
バロック音楽の特集が組まれた。

ドイツ、イタリアと来てフランス・バロックについて
の文章は、当然専門家(音大教授)によるもの
だったが、その中に
 
  昨今はベルサイユ楽派を研究したい動機が 
  ベルサイユのばらだ、などという学生がいる

という文章があった
 (ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェンをウィーン

  楽派と呼ぶ様に、ベルサイユ宮建設以降の宮廷

  楽士はベルサイユ楽派と呼ばれる)。 


当時の、音楽に限らず大学教授は家にテレビが
ない人も珍しくなかった。

ましてマンガなど読むはずもない。


この教授にアニメを見せて、良く出来てるでしょ?
などといったら、せせら嗤ったことだろう、

「音楽が全くなってない」 と。

原作マンガには参考文献が記されていたり、作者が
相当量の資料を読み込んだのは分るが、音楽まで
は手が回らなかったようだ。


 

マリー・アントワネットはチェンバロ(フランス語では、
クラヴサン)を弾くのが趣味だったし、舞踏会のない
宮廷生活などあり得ない。


アニメ版第25話に「かた恋のメヌエット」というのがある
がそこで流れたのは、イタリア人のボッケリーニ作曲の
 メヌエットであり、小生でさえ
         見ていて頭を抱えた σ(--;) ククッ


劇場版では是非、パリ音楽院(コンセルヴァトワール)に
留学して、ノルベール・デュフルク門下の教授に師事
  した経歴の持ち主を音楽監修に
           して欲しいところだ c(^、^ )ヾ(--:;)...


マリー・アントワネットにまつわる音楽と音楽家には
ネタに事欠かない。


かといって、モーツァルトなど取り上げない。
挙げるなら、例えばクロード=ベニーニュ・バルバトル。

フランスの片田舎でオルガニストをやっていたが、
ジャン・フィリップ・ラモーに誘われてパリに上京。

するとルイ16世に気に入られたか、順調に出世し
遂にマリー・アントワネットのチェンバロの教師に
まで取り立てられた。


だが、フランス革命で状況は一変 c(-_-;) 

今度は革命軍で仕事をすることになった。フランス
国家、「ラ・マルセイエーズ」の前奏のメロディは
バルバトルの作曲だ。

この生涯は非常に面白い
       アニメに出来るな c(^、^ )ヾ(--:;)...


もう一人 ヾ(^^:;)...

チェンバロというのは、高度な加工技術が要求され
るが、アントワネットは、トビアス・シュミットという
ドイツ出身の職人のチェンバロを愛用していた。

だが革命後、シュミットはその技術を買われ、別の
機械の製作に携った。

それはギロチン c(^.^;) TARA~

つまりマリー・アントワネットは、愛用のチェンバロを
作ったのと同じ男が作ったギロチンで、断頭台の露
と消えたのだった。


こういう周辺の人物とエピソードが加われば、
ベルばらという物語に一層の
    幅と奥行が加わることだろう c(^、^ )ヾ(--:;)...

ま、劇場版ではとても無理だがね ヾ(^^:;)...


小生は別に音大で学んだわけではない。学生時代
フランス語の「フランスの音楽」を1コマ履修しただけ
の、いわば「かじり」。

しかし、ベルサイユ楽派には大いに興味があるし、
ネタは他にもあるので、機会が

     あったらまたお話ししよう c(^、^ )ヾ(--:;)...


でわ、また~ (^.^)/~~~