毎月行っている、マーラーブルックナーの聴き比べ。
あまり受けないけどね ヾ(^^:;)...
今回は番外編として、バッハのディスクを集めてみた。
曲目は「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」
バッハ作品目録番号では、「BWV1060R」。
「R」とは、オリジナルの楽譜は2台のチェンバロの為
の協奏曲としてしか存在せず、音楽学者が楽譜から
オリジナルを推測した「復元協奏曲」だからである。
バッハの協奏曲の中でも人気があり、録音も沢山あって
網羅するのはとても不可能。
そこで今回は、女流ヴァイリニストが演奏した盤のみを
集めてみた。
各ディスクの同曲の中から、オーボエとヴァイオリンの
ソロが絡み合う第2楽章を聴く。
参考のために演奏時間も表記。テンポが分ろう。
尚、マーラーブルックナーの場合は、小生のディスク歴、
何より生演奏を聴いた回数等に鑑み、演奏そのものに
ついての批評は余程特種な場合を除き、避けている。
だが、バロックに関してはディスク収集歴50年、生演奏
を聴いている回数も人後に落ちないと自負して
いるので、厳しめに書くかも c(^、^ )ヾ(--:;)...
では、女流ヴァイオリニストのBWV1060Rを紹介しよう。
カウントダウン形式で ヾ(^^:;)...
第8位 ファウスト(vn)、レフラー(ob)
ベルリン古楽アカデミー
CD: ハルモニア ムンディ HMM902335
2019年発売。録音年不明。
第2楽章の演奏時間:4分50秒
アルバム名は「バッハ ヴァイオリン協奏曲集」。
一聴して両楽器とも平板な演奏で、「バッハの心」
からは遠い。
またソロ楽器の音に歪みがまとわりつく印象。
同じアルバム内で管弦楽組曲第2番(BWV1067)も
フルートをヴァイオリンで(移調して)演奏しているが
これもつまらない。
こんなCDが、'19年のタワレコのクラシックCD売上
第1位だったんだから情けない。
2枚組で当時3,000円だったが、今や
中古で780円なのも頷ける c(^、^ )ヾ(--:;)...
SACDもあるが、バカバカしくて買っていないので
音質の比較は省略。
第7位 バティアシュヴィリ (vn)、ルルー(ob)
バイエルン放送交響楽団室内管
アルバム名はシンプルに「BACH」。
2014年発売。録音年不明。
第2楽章の演奏時間:4分25秒
バティアシュヴィリ という日本人には舌を噛みそう
な名前のヴァイオリニスト。一方のオーボエは、
以降のほとんどのディスクでも演奏している
フランソワ・ルルーである。
どうにも、絵に描いたような
21世紀のバロック演奏 σ(--;) ククッ
強弱をつけた演奏だが、どうにもセカセカした印象
で情緒がない。
国内盤はSHM-CDが出ているが、入手できなかった
ので、CDとハイレゾを比較。
1.CD: ドイツグラモフォン 4792479
上記のファウスト盤とは違い、ややソロ楽器の音が
大きいが、録音はまずまず。
2.ハイレゾ:44.1k/24bit (68.5MB)
サンプリング周波数は同じ、ビットだけが違うが
やはりいくらかは音が澄んだ印象がある一方、
ヴァイオリンは鋭さが増している。
第6位 バティアシュヴィリ (vn)、ルルー(ob)
ヨーロッパ室内管
(ソニー SICC-10048)
アルバムタイトルは「主よ、人の望みの喜びよ」。
録音・発売とも2007年。今回唯一のSACDである。
第2楽章の演奏時間:4分37秒
ご覧のとおり、第7位と同じソリスト2人(オケは異る)。
SACDであることを強調したかったのか、2つの楽器
はくっきりと浮ぶ録音だが、情緒がないのは同じ。
音が良い分だけ、こちらを上位とした c(^、^ )ヾ(--:;)...
第5位 ムローヴァ(vn)、ルルー(ob)
ムローヴァ・アンサンブル
録音:1995年7月23~25日 アムステルダム
第2楽章の演奏時間:5分14秒
アルバム名は「バッハ ヴァイオリン協奏曲集」
同じルルーとは思えないほどゆっくり、ゆったりと
オーボエが鳴る。
ここでもやや音に雑味が感じられるのが残念だが。
1.輸入盤CD (フィリップス 446-675)
1996年発売
2.輸入盤CD (フィリップス 475-7451)
2006年発売 レーベルはフィリップスだが発売元は
既にデッカ。
どちらもほとんど同じ音質。
2.のほうが気のせい程度、オーボエの音が強い。
3.国内盤CD (ユニバーサル PROC-1797)
2015年発売の廉価盤。
基本の音質は変りようもないが、よく聴くとソロ楽器
とバックのチェロやコントラバスとのバランスが異り
日本盤はやや低域が盛り上がっている。
意図したものかどうかは不明だが。
第4位:ヤンセン(vn)、ケロ(ob)他
アルバム名は「バッハ ヴァイオリン協奏曲集1・2番」
録音:2013年、ベルリン
第2楽章の演奏時間は、5分10秒
ヤンセン(英語読みならジャンセン)が得意とする?
バックのオケも各楽器1名での演奏。
また、通奏低音にチェンバロでなくオルガンを使用。
1.国内盤SHM-CD (ユニバーサル UCCD-1391)
人数が少ない演奏だが、各楽器を浮き上がら
せるのでなく、解け合いを重視しているのだろう。
全体的に音が遠く、音域は狭い。
2. ハイレゾ (96.0kHz/24bit 173.8MB)
従って、ハイレゾの恩恵はほとんどない。
SHM-CDで十分ではないかと思う。
第3位 諏訪内(vn)、ルルー(ob)
ヨーロッパ室内管
2005年録音。
第2楽章の演奏時間は4分47秒。
人気のある諏訪内だから、録音にも気を使った
のだろう。奥行き感のある音質に仕上っている。
1.国内盤CD (ユニバーサル UCCP-1114)
録音直後の2005年発売。
2.国内盤SHM-CD (ユニバーサル UCCP-9635)
2008年発売。最初期のSHM-CDなので
定価が3,000円もする。
しかしSHM化は効果てきめんで、音の粒だちが
明らかに向上。
文化会館小ホール(に限らないが)でいうなら、
何列か前の席に移動したかの様だと例えれば
お判り願えようか。
第2位 フィッシャー(vn)、ルブツォフ (ob)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
2008年録音
第2楽章の演奏時間は、5分31秒
実にゆったりとした、1970年代からのバロック好き
向け、といいたい様な演奏。
往年の指揮者、ネビル・マリナーが指揮しても恐らく
こんな演奏だろう。
1.輸入盤CD (デッカ 478 0850)
2009年発売。
2.SHM-CD (ユニバーサル UCCD-51059)
2017年発売。
上記の諏訪内盤と同じく、両盤の差はソロ、バック
のオケを問わず、楽器の音が「立つ」というか
前に出て来る点だ。
他の収録曲も含め、演奏・録音ともシリーズ名
「デッカベスト100プレミアム」に恥じない1枚であり
バッハ愛好家は座右に置きたい。
第1位:ハーン (vn)、ヴォーゲル(ob)
カヘイン指揮 ロサンゼルス室内管
録音:2002年 ロサンゼルス
第2楽章の演奏時間は、5分20秒。
テンポが早すぎず遅すぎず、両楽器ともそれこそ
「流麗」と呼びたい演奏で、今回随分とディスクを
聴いたが、明らかにベスト。
1.国内盤CD (ユニバーサル UCCG-1161)
2003年発売。
このCDのみを聴いている分には、バッハの名曲を
鑑賞するのに、何の不足があろうかという音質。
2.国内盤プラチナSHM-CD (同 UCCG-40005)
2013年発売。
反射膜にプラチナを採用したCD。
「CD-DAの規格からは外れる」と自ら宣言。しかし
音質向上を目指したという触れ込みである。
が、1.の通常盤比でそんなに向上したかな~、と
いう印象で、やや、看板倒れ。
3.国内盤SHM-CD (同 UCCG-51057)
2016年発売。
4.国内盤SHM-CD (同 UCCG-51057)
2021年発売。
同じ緑レーベルのSHMだからパッケージが異る
だけかと思って聴き比べると、違う。
1.の通常CD比、一皮むけた印象はどちらも同じ
だが、新しい盤がやはり音がしっかりしているのが
聴きとれる。
微妙な差ではあるがね ヾ(^^:;)...
5.輸入SACD (DG 474 639-2)
さすがにSACDで、オーボエの音がするのではなく、
オーボエのベル(開口部)が分る様な音。
これはやはり低域の安定が大きいように思う。
6.輸入LP (DG)
かつてのエラートやフィリップスの録音では、とり
わけオーボエの音にアナログの優位を聴いた
ものだが、このLPはSACDに及ばず、せいぜい
古いほうのSHM-CDレベル。
これは音源がデジタル録音であることも関係して
いるのだろう。
予備的に、事前の試聴はしていたのだが、1日でディスク
を10枚以上聴くのはやはり大変だ。
次回はいつもどおり、ブルックナーのディスクを
数枚程度聴く形式にもどそう ヾ(^^:;)...
でわ、また~ (^.^)/~~~