140文字の説法・377 月の密教僧・明恵は「あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかや月」と歌を詠むことで、修法で唱える陀羅尼のリズム感を分かりやすく表現し、自分と自然といった二元対立をしなやかに超えてみせた。そう……そこではもう、自己とか存在といったことすら「どうでもいい」と軽やかに教えてくれる。