分かってきたかな？
そうなんだ。あなたの人生というゲームに登場してくる関係者は、主人公であるあなたの(人生という)舞台を盛り立ててくれる脇役なんだよ。
当然のこと「悪役」だって登場する。だって、みんながみんな、いいひとばかりだとドラマにはならない。というか、そんな間の抜けた、ボケたドラマは面白くないだろう。
だから、そんなのが登場したら「ようこそ、わたしの人生へ」だし「なかなかの役者じゃのお」である。
それで引用――
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人生はゲームだ。
それも、あなたが苦心惨憺してチョイスした高級品である。
だから当然の如く、シナリオも凝りに凝ったつくりになってる。なのに生を受けた途端、あなたは内容を忘れてしまった。
まあ、だから面白おかしくプレイできるわけだけどね。
……中略……
ちょっとばかし演目を再生(プレイ)してみようか――。
ここは会社。あなたは営業部の課長代理という中途半端な役職だ。病気療養中の課長に代わって営業成績に責任を負わされている。ところが午前中の営業会議で、部長から未達成のノルマについて追求を受け、さんざん油を絞られた。
ふう～っ……やってらんないなあ！
愚痴のひとつもいいたくなる。そうだろ？ でも、この愚痴をいってる時のあなたは平穏無事であることに気づこう。
だって部長の前で愚痴をいったりしたら火に油を注ぐことになるだろうが。ところが、そうでないのは危ない状況は去ったということ。
颱風一過で、あなたはいま「安泰」なのだ。
なのにあなたはイヤな気分でいる。
腹の中では「ボケ部長め！ そんなにガミガミいわんでも、ノルマが達成でけてへんのは分かっとるわ。それに……今回の指揮は、もともと課長が執っとんたんじゃあ。なのに急に病気になるよって、オレは最後のトコだけ受け持っただけやんけ。せやから、オレの手腕なんて関係あらへん。このお、クソがあ」ってとこだろうか(笑)。
少し冷静になったころ、あなたは「運が悪かったあ」とか「たまたま、貧乏くじを引いちゃった」「まあ、しゃあないなあ」って感じになるのかな(大笑)。
でもって日常に還っていく……。すると、きのうとさほど変わらない明日がやってくるというサイクルが戻ってくるような気がしてしまう(苦笑)。
きっと、そんなところだろう。ちがうかい？
……中略……
だけど、よ～く考えてみたら……あなたの「いま」の鬱憤なんて、過去の幻を引きずってるだけだということが分かるだろう。だって「いま」には関係ないもん。
さらにいうなら、あなたの人生ゲームの主人公は「あなた」だから、あなたの鬱憤は脇役の部長が見事なまでも「役柄に専念」してくれお陰である。むしろ演技大賞をあげたいくらいだ。こう思うなら、ガミガミ部長は脇役としては出色なのである。
……中略……
とりわけ、あなたの敵役を演じてくれる存在は、とっても大切だ。
ほれ、映画なんかでも敵役の演技がしっかりしていてこそ、主役が光る素晴らしい作品になる。とりわけ敵方のボスに至っては名優が必要だ。なのでアメリカ映画の『スーパーマン』や『バットマン』なんかは悪役のボスに大抵、ビッグネーム(大物俳優)をキャストしてるだろ！
そんでもって、そのボスから主役はかならず「ズタボロ」にされるのだ。でないと話が面白くならない。ひとまず危機的状況に追い込まれるから、ストーリーは面白くなるし、輝くわけ。伝説の作品となる。
だから「絶体絶命の苦境は伝説が生まれるための檜舞台」なんだよ！
そして、その苦境を演出してくれる脇役たちは、まさしく助演賞ものの役者なんだ。そんな名優が脇を固めてくれているから、あなたは人生のアカデミー賞主演賞ノミネートが可能となるわけである。
分かったかな、バレたかな……
そうなんだ。あなたにとってイヤなヤツこそが、あなたの檜舞台をきっちりと支えてくれる名役者たちなんだよ。悪役が強大であればあるほど、あなたはヒーロー(ヒロイン)として輝きを放てるわけ。そして、そこに伝説が生まれるのである。
だから「イヤなヤツやなあ」と思うのに――どうしても縁が切れない存在というのは、あなたにとって、ダンジョンをクリアするのに必須の名脇役なのだ。
だから「役者じゃのお」と存分に演技をさせてやろう。
そして、その役者によって出現した窮地こそが、あなたをさらにスーパーヒーロー(ヒロイン)に押し上げてくれる檜舞台となる。
ここは、ひとつ――しっかりコントローラーを操作して、ゲーム内の主人公のＨＰやＭＰを稼いでしまおうぜ。
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ここで、ひとつ、お詫び。
ちょっとだけだが、このシリーズをお休みする。楽しみにしていてくれたかたには「ごめんなさい」だ。
このさきに「愛情」だとか「宗教」「時間」「人生のテーマ」等々に関しての記事を予定しているのだけど、いかんせん、引用元となる著書『非責任のススメ ―人生が思いどおりにいかないのは、みんな「世の中のせい」である！―(仮題)』の原稿ができあがっていないのである。とういうか、書き散らかしたままで整理ができていない。
なので、ちゃんと引用ができないわけ。
鋭意、仕上げて、戻ってくるので少々、お待ちあれ。